【じげん×ユーグレナ 対談セミナーレポート(前編)】「攻めの経営戦略を実行している少数精鋭組織の実態」2018.08.31

【じげん×ユーグレナ 対談セミナーレポート(前編)】「攻めの経営戦略を実行している少数精鋭組織の実態」2018.08.31

セミナーイベント「攻めの経営戦略を実行している少数精鋭組織の実態」の開催レポートです。

伊佐敷 一裕

2018年5月23日、株式会社ユーザベースが主催するセミナーイベント「攻めの経営戦略を実行している少数精鋭組織の実態」が開催されました。

実際に「攻めの少数精鋭経営」を実践されている、株式会社ユーグレナのCFO永田暁彦氏と株式会社じげんのCFO寺田修輔氏の2名を登壇者に迎え、セッション形式でその経営組織の実態を伺いました。

前編となる本レポートでは、イベント前半に行われた2社の取り組み発表の内容をお送りいたします。

2社の経営組織の構造や課題など、実態をより掘り下げたトークセッションの内容は中編後編にてレポートいたします。

 

永田氏によるユーグレナ社の取り組み発表

 

永田暁彦氏(以下、永田):ユーグレナの永田と申します。私たちはまだ創業12年目の若い会社ですが、そういう若い会社が成長してきた中で、何をやっているのかをご説明できればと思います。

会社の紹介

我々は2005年に創業した会社で、ミドリムシを世界で唯一製造することができる東大発ベンチャーです。創業して13年、資本金が54億円、売り上げが138億円くらいの会社です。従業員が356名、グループ会社が10社と、海外に2社あります。2012年に上場しましてその2年後の2014年に一部に上場しています。

組織構造と永田氏の管掌領域

組織内では結構いろんな部門を管掌しています。経営戦略の文脈でお伝えしたいことは二つあり、一つは人事を管掌していることです。経営企画の肝は金と人のアロケーションだと思っており、人事を経営戦略の上で重要視しています。

もう一つ、バイオ燃料や海外事業の開発責任者もやっています。経営企画とIRの重要キーワードはコミットメントだと考えていまして、社会や会社にコミットしたことを最後にローンチするまでをコミットしています。

事業内容

会社は大きく二つのことをやっています。一つがミドリムシを中心としたヘルスケア事業で、健康食品や化粧品を販売しています。

もう一つがミドリムシを活用したバイオジェット燃料の開発です。火力発電所や水質浄化設備などから出て来るCO2や廃液を活用してミドリムシを作り、燃料と飼料を作っています。

目標

目標としては2020年までに売上高を300億、つまりこれから2年半で2倍にするということと、バイオジェット燃料を事業として成立させることを宣言しています。この5年間で売上高が8.7倍なってきたという成長を見て300億の目標は維持しています。

売り上げ構造の推移

2014年以前はB to BのOEM・原料事業が売り上げのメインでしたが、直近では通販事業がメインに入れ替わってきています。また新規事業がどんどん立ち上がっていまして、まさに今日お話しする事業ドメインの変化と新規事業をどう作ってきたかがキーワードになるかと思います。

今後の投資計画について

「思いっきり突っ込んで、失敗して赤字になりました。でも僕らは反省はしていますが後悔していないですね。踏み込んでいかないと成長出来ないので」

そしてうちのもう一つの特徴です。昨年138億だった今期の売り上げ目標180億なのですが、1ヶ月ほど前に30億の下方修正をしました。通期の利益が18億赤字だと発表しています。しかもIR上では宣言していますが、来期は58億まで赤字を出します。「攻め」の経営戦略というタイトルでしたので、これを言わないといけないと思って(資料に)足しました。

今期は40億投資し、すべてを回収できませんでした。来期はバイオジェット燃料設備への投資で58億の赤字を確定させています。それも大きな投資をすることを決めているということです。この発表での株価の低下は限定的でした。

僕たちが攻めの経営企画をできる理由として、株主が否定しない戦略を取っていればチャレンジをすると決めていることがあります。実際に2016年に売り上げを倍増させた時は30億くらいの投資をして、そのおかげでジャンプアップしたんですね。

更にジャンプしようとして上半期思いっきり突っ込んだのですが失敗しまして、赤字になりました。でも僕らは後悔していないですね。踏み込んでいかないと成長できないので。

来期58億の赤字を出す理由は、バイオジェット燃料のプラントの建設費です。これを一括償却します。なので、来期の赤字が確定しています。一年半前から宣言しています。

新規事業スタートの仕組み

新規事業スタートの仕組みとしては、トップダウン・経営企画発案・事業部発案・ピッチ・M&Aの5つがあります。

トップダウンで始まったものも多いです。燃料や遺伝子検査ファンドなどは全てトップダウンでスタートしています。経営企画発案で今生き残っているのはゼロです。事業部発案では化粧品や飼料、飲食店などの事業が始まっています。

特徴的なのはピッチで、完全にボトムアップのピッチイベントをやっています。来期二つそこからローンチされます。バングラディシュのビジネスも社員の発案からスタートしています。

M&Aについて

M&Aは3つの軸でしています。

・ユーグレナ事業の拡充

ユーグレナを「作る」「売る」から「サポートする」まで全てカバーする、バリューチェーンを全て買収するという形でM&Aしています。

・ヘルスケア事業基盤を生かした成長

出来上がっている顧客を横展開するということで他の領域の会社を買収するということをやっています。

・新規領域進出に向けた事業基盤獲得

または新領域新規事業むけのM&Aを行なっています。

 

寺田氏による株式会社じげんの取り組み説明

寺田修輔氏(以下、寺田):株式会社じげんの寺田です。じげんは2006年に設立され、今期13期目を迎えます。今連結社員で350人ぐらいです。絶賛採用中ですので、経営企画で転職考えられている方は、是非オフィスにお越しいただければと思います。

事業概要

当社は一言で申しますとメディアのプラットフォームを運営している会社です。色んな領域で色んなメディアを展開しています。主には人材領域が収益構成比の高いところです。

メディア事業について

メディアの持ち方として大きく二つあり、一つ目がアグリゲーションメディア、当社が「EXサイト」と名付けて運営しているものです。具体的にはアルバイトEX転職EX、NTTドコモ様との共同事業であるdジョブともあります。

他のメディアの方々と提携をしており、例えば人材領域ではマイナビさんやパーソルキャリアさん、リブセンスさんなどです。彼らはそれぞれ自社で求人メディアを運営されていますが、それぞれにアルバイトや転職の案件情報が散らばっています。それらの情報をデータベースとして提供いただき、EXサイトではアグリゲート、集約しています。ユーザーは複数のメディアを訪問する必要なく、EXサイトを通じて一括で閲覧・検索・応募まででき、利便性の高いサービスとしてご利用いただいています。

一方で、メディアをやる上では、ユーザーはもちろんのこと、クライアント企業様にどう価値を提供していくかも大事になってきます。

EXサイトの特徴として、案件を掲載するだけではお金はかからず、ユーザーが求人への応募などの何らかのアクションを起こした時に初めてお金が発生する成果報酬モデルになっています。ユーザーだけでなくデータベース連携をしていただいているメディアにとって効果の高いサービスとして、それぞれ価値を提供しています。

また、アグリゲーションメディアで培った、ユーザーを集めて動かすテクノロジーを活用し、より広範なデータベースを構築してプラットフォームとしての価値を高めるため、リジョブ求人情報ビズなどの特化型メディアも運営しています。

成長戦略

メディアの会社として、成長戦略は3つです。

送客力の強化、顧客基盤の拡大。そして、メディア運営のノウハウをいろんな領域に拡張していくこと。もともと人材メディアの会社として始まっていますが、不動産や自動車などに領域を広げています。

特に本日のテーマである経営企画・コーポレートアクションとして、顧客基盤や領域拡大について、M&Aという手段を通じて非連続的な成長を実施してきています。

業績

おかげさまで創業以来増収増益できており、直近の2018年3月期では売上収益で102億円、営業利益で33億円と、2014年3月期の上場時に比べ、売上が5倍以上、営業利益が3倍以上になっております。

収益が伸びている背景の1つとして、領域や顧客基盤の拡大をM&Aやそのためのファイナンスという非連続な手段を通じて、時にはコーポレート主導でやってきたことがあります。

新規事業・M&Aについて

毎年何かしらの新規事業・M&Aをやっています。新しいサービスは自分たちで立ち上げたものもありますが、M&Aで外から取得してきたものもあります。

コーポレートアクションでこれまで行ってきたことが蓄積して、売上や利益に効いています。企業の成長、特に外部成長をダイレクトにコーポレート機能が担っているのが当社の特徴かと思います。

前編のまとめ

それぞれ事業内容は異なるものの、2社の急成長の背景として、コーポレート主導のM&Aや新規事業といった経営施策の存在が共通していることが伺えました。後半でのディスカッションではさらに2社の経営組織の実態を掘り下げていきます。

(中編へ続く)  

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