「業界を深掘りしつつ、視点を広げてくれる。両軸を持ったスピーダは、アジャイル経営を支える存在です。」
大手飲料メーカーの経営企画部門における活用
アサヒビール株式会社
ビール売上No.1のアサヒスーパードライを始め、ビールや酒類、ノンアルコール飲料を製造・販売しているアサヒビール。2022年3月にアサヒスーパードライが発売以来36年目で初めてとなるフルリニューアルを行うなど、新たな発想でお客さまのための価値の向上や新市場の創造を目指すValue経営を推進しています。そこで今回は、経営企画部の榊原様、鳥沢様に変革を推進する中でスピーダの果たしている役割について伺いました。
サマリー
- ・飲酒人口の減少や酒類市場の縮小が予想される中、新たな市場の創出をしなくてはいけないという危機意識がValue経営への変革を推し進めている。
- ・その中で、経営の意思決定スピードを速めることを目指す経営企画部では、情報収集やデータ分析を強化する一つの手段として、スピーダ 経済情報リサーチとFLASH Opinionの導入を決定。
- ・FLASH Opinionを使い、これまでの100分の1の時間で、意思決定につながる情報や新たな視点を多面的に有識者から得ている。
- ・先の読めない時代に重要となるアジャイルな企業変革を支えてくれるのがスピーダ。情報を深掘りしつつ、視点を広げてくれる、その両軸で期待している。
飲酒人口の減少が進む中で生き残りをかけた変革を決意
アサヒビールがValue経営への変革を進める背景を教えてください。
榊原:私たちビール会社は酒類市場をメインのターゲットとしていますが、飲酒人口が減っていくのは今後間違いなく起こりうる未来だと考えています。2030年頃、つまり10年後には市場が大きく縮小すると予想しており、新たな市場を創りあげる会社にならなければ生き残れないという危機意識が、Value経営への変革を推し進めています。
変革の方針としては、まずお客さまの期待を超える商品やサービスを提供し、稼ぐ力を強め、創出した利益を新しい価値やサステナビリティという成長領域に投資する。そして縮小していく市場の中でも、継続して企業の成長を目指す体制を築くことがValue経営の根幹になります。
執行部門のアウトプットを高め、経営の意思決定スピードを速める
Value経営への変革を進める中で、経営企画部はどのようなミッションを担っていますか?
榊原:変革に必要な、意思決定のスピードを速めるミッションを担っています。私たちは経営と執行部門を繋ぐ立場にありますが、意思決定に最速でたどり着けるよう、検討フローを見直したり、必要な情報を経営、執行のそれぞれに事前にインプットしたりするなど、社内の議論を前に進めるための体制づくりに取り組んでいます。
また、今までは市場の販売データなど特定のデータを掘り下げて分析を行ってきましたが、Value経営で新しい価値想像を目指す中では視野をより広く持ち、複数のデータから仮説や方向性を導き出す必要があると感じています。こうした新たな視点を経営にインプットし、討議する場をつくることは、会議運営で意識していることでもあります。
経営企画部の役割の定義は企業によって様々ですが、アサヒビールにおいて経営企画部はどんな役割を担われていますか?
鳥沢:生産や営業、マーケティングといった各部門における最適だけでなく、部門を横断し、会社として全体最適となる経営判断を進められるように、コーディネートしていくことを意識しています。
榊原:生産やマーケティングなどの一部門より、確実に社内の情報が集まってくるのが経営企画部です。各部門が想定しているゴールを80とした時に、我々に相談してもらうことで新たな視点や情報が得られて80を100にできる。そんな風にアウトプットを高めていけることが価値ですし、それが経営企画部の役割だと考えています。
鳥沢:以前は、経営企画部に相談する事自体が高いハードルのように見られていた時期もありましたが、今は「まず経営企画部に相談してみよう」と思われるようになってきたのではないでしょうか。単なる経営に対する窓口ではなく、経営が描く戦略と現場の課題感や意志を繋ぎ、組織や経営の意思決定のスピードを高めていくことを目指しています。
経営層とのコミュニケーションはどのようにとっていますか?
鳥沢:社長と経営企画部の間で週1回のミーティングがあり、そこで私たちの感じている経営課題や解決策について意見を交わしています。今の課題だけではなく今後想定し得る課題に対しても直接意見を交わせる機会となっています。この時間があるからこそ、執行部門の相談にもスピード感をもって応えられていると感じています。
スピーダ 経済情報リサーチやFLASH Opinionの導入でスピーディな経営課題解決を目指す
スピーダ 経済情報リサーチや、24時間以内に複数の有識者の意見を得られるFLASH Opinionを導入する前のリサーチ方法と、導入までの経緯について教えてください。
導入後、具体的にどのようにスピーダを活用していますか?
榊原:私自身は、他業界含め幅広い情報を得るためにニュース機能を毎日使っています。地方新聞や業界新聞まで幅広く網羅されているのがありがたいです。実際に地方のニュースから自社で検討すべき案件を見つけ、経営にインプットし、数日で意思決定につなげられたということもありました。経営企画部として自ら発想を広げるためには幅広い視点を持たなくてはいけないので、自分の業界だけでなく最先端の他業界の情報が得られることは、気付きのインプットとしてとても役立っています。
コロナ禍で市場が激変する中でニーズが増したFLASH Opinion
FLASH Opinionについてはいかがですか?
鳥沢:酒類市場は比較的変化の少ない業界だったこともあり、これまでは専門家に意見を求める機会はあまりありませんでした。しかしコロナ以降は市場環境が激変し、FLASH Opinionの必要性が高まりました。市場環境の予測がつきにくい中では、経営の意思決定において、もう少し多面的な情報があれば決断できるのにと思う場面があります。そんな時、私たちの課題感や提案に対して説得力をつける根拠の一つとして、専門家の意見を活用しています。
榊原:また、FLASH Opinionでは私たち社員の視点を変えてくれるようなご指摘もいただけるので、執行部門に対しても一石を投じるという効果もあり、変化を後押ししてくれるきっかけになっていると思います。
100分の1の時間で、有識者10名の意見が聞けるように
スピーダやFLASH Opinionの導入後にどのような変化が生まれていますか?
鳥沢:特にFLASH Opinionの活用は大幅な時間短縮に繋がりました。1人の有識者の方を訪問するまでに必要な一連の工程を考えると、その100分の1くらいの時間で、10人の意見をいただけるのではないでしょうか。効率性に関しては雲泥の差だと思います。
榊原:調べたい事を検索エンジンで探しても、多くの情報の中から解を見つけるのが難しく、求めている内容とズレが出てきます。そこをスピーダで検索すると、的確な情報をスピーディに得られる、というのは定量的にも定性的にも大きな価値を感じます。
鳥沢:ビール業界はほぼ大手4社で寡占の市場ということもあり、今までは外部の情報を必要とする機会が少なかったのですが、現在の市場の変化の中では広く情報を得ていかなければなりません。そういう点では、スピーダのサービスを今後はさらに活用していきたいです。
最後にアサヒビールの今後の展望について教えてください。
鳥沢:2022年3月にアサヒスーパードライが発売以来36年目で初となる、フルリニューアルを行いました。Value経営への変革を進める中で改めてお客さまに届ける提供価値に向き合い、中味やパッケージ、コミュニケーションを刷新する決断をしました。このフルリニューアルも、始めは経営企画部のメンバー等が課題提起し、全社員を巻き込んだプロジェクトに深化し、全社横断で実行につなげていきました。
榊原:歴史のある商品を変えることに対する怖さはありましたが、今後の更なる成長曲線を描く為に必要な挑戦と捉え、社員一丸となって取り組みました。環境変化が激しい時代において意識しているのは、顧客起点で自ら変えていけるアジャイルな企業変革であり、スピーダにはぜひ今後もそこをご支援いただきたいと考えています。業界を深く掘り下げる一方で、ニュース機能のような幅広いインプットを得られる、深化と探索の両面を持ったプラットフォームとしてさらに進化していって欲しいと期待しています。
アサヒビール株式会社
www.asahibeer.co.jp/特色
アサヒビールは今、お客さま、社会、株主、従業員、すべてのステークスホルダーに提供する価値を重視する経営を行っています。お客さまの期待を超える商品やサービスを提供するとともに、サステナビリティへの取り組みをさらに加速し、新たな市場や新価値の創造を通じて、ビジョン実現を目指しています。
業種
製造・メーカー
部署・職種
経営企画・事業戦略
企業規模
5000人以上
主な利用シーン
ビジネス戦略策定
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アサヒビール株式会社
経営創造本部 経営企画部
担当部長榊原 守弥
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アサヒビール株式会社
経営創造本部 経営企画部
担当副部長鳥沢 杏子