新規事業アイデアの創出には良質なインサイトが不可欠。目的に合わせて効率的に知見を獲得
日本電気株式会社 (NEC Corporation)
【導入の目的】
・インプットを充実させ、社内の新規事業アイデアの創出を活性化するため
【抱えていた課題】
・新規事業開発に活用している手法では事前のインプットが重視されるが、リサーチに費やすリソースが不十分なため時間がかかっていた
・専門領域外の深い知見を得ることが困難であった
【活用サービス】
・Expert Advisory(エキスパートがプロジェクトマネージャーとして伴走+複数名のエキスパートが参画)
【アサインエキスパート】
・大手コンサルティングファーム出身のリサーチ部門のリーダーとして、リサーチ設計から成果物作成まで一貫して担当してきた実績のあるエキスパートを、プロジェクトマネージャーとしてアサイン。
・インタビューイーとして、より深い情報を専門的観点から知見提供できる業界エキスパートを複数プロジェクトで複数名アサイン。
サマリー
- ・目的に合わせて最適なエキスパートに依頼できるため、効率的にリサーチすることができた
- ・エキスパートによる調査設問の再設計により、ピンポイントで必要な情報を確実に得ることができた
- ・リサーチにかける時間や手間を削減、必要最小のメンバー構成で複数のプロジェクト推進やお客様からの依頼に対応できた
- ・知見のないニッチな領域からも、クイックにインサイトを得ることができた
新たなイノベーション手法で新規事業開発を支援
デジタルビジネスオファリング事業部のミッションを教えてください。
デジタルビジネスオファリング事業部は、NECの商材や知見を活用して、顧客のDX実現につながるオファリング(課題解決法)を提供する部門です。
私たちのチームは、最適なDXオファリングを提案できるように、ソリューションを蓄積した「DX オファリング Suite™」というパッケージを開発しています。
顧客の新規事業を検討する事業部と、共創するスタイルで取り組んでいます。
西村様と山田様はどのような役割を担われていますか?
欧州で生まれた「FORTHイノベーション・メソッド(以下、FORTH)」というイノベーションを生み出す手法を使って、新規事業開発を支援しています。
顧客を巻き込んでワークショップ形式で推進するのですが、私たちはそこでファシリテーターの役割を担っています。
NECには「FORTH」認定ファシリテーターが16人います。世界でもこれだけ認定ファシリテーターがいる企業は他にありません。
十分なインプットができていなければ、良い事業アイデアは生まれない
「FORTHイノベーション・メソッド」でどのように新規事業開発の支援をしているのでしょうか?
「FORTH」は新規事業開発において、最初に構図を決めるところに強みがあります。どのように進めていくのか、まず事業の設計を行います。
新規事業検討の場は、ときとして混沌となりがちです。
私たちファシリテーターが推進していくため、事業部や顧客の負担が少なく、アイデアに集中することができます。メソッドはプロセスが細かく設計されており、やるべきことが明確になっているので、日本企業の体質にも合っています。
新規事業のアイデア出しに、いきなりブレストからはじまるパターンがよく見られますが、十分なインプットができていなければ、良いアイデアは出てきません。
アイデアを考える前に、まずはインプットを充実させることを「FORTH」では重要視します。
スピーダ エキスパートリサーチは、新規事業開発のどのシーンで利用していますか?
インプットの工程でスピーダ エキスパートリサーチを活用しています。そうすることで比較的早く、高い精度で検討の方向性を得ることができます。
そもそも、この先行き不透明なVUCA*時代に、事業を立ち上げるということは誰しも不安です。なにから手をつけたらいいのか、事業部や顧客が悩んでいるところに私たちは寄り添い、支援していかなくてはいけません。
事業の方向性をしっかり定めるためにも、プロジェクトの初期に市場調査を行って、インサイトを引き出すことが何よりも重要だと思っています。
* Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語
リサーチにかける時間を大幅に短縮、空いたリソースで複数のプロジェクト推進を加速
スピーダ エキスパートリサーチを利用いただく前は、自分たちでリサーチをすすめていたのでしょうか?
はい。自分たちで時間をかけてやることもできますが、限られたリソースの中で複数のプロジェクトを推進していくとなると難しくて。
私たちの専門領域外の支援、例えば「養殖業者にえさを販売している会社」について、なんとなくはイメージできても実態として理解することはできません。
スピーダ エキスパートリサーチを活用することで、知見のないニッチな領域からもクイックにインサイトを得られます。空いたリソースで多くのプロジェクトを短期間で支援でき、NECの新規事業開発プロセスにおけるゲート審査も早く推進することができました。
他社のリサーチサービスも調べましたが、この精度までまとめてくれるものは他にはありませんでしたね。
スピーダ エキスパートリサーチをどのように活用していますか?
コンサルティングファーム出身のエキスパートの方に、プロジェクトマネージャーとして伴走していただいています。情報を得たい領域の、複数のエキスパートにインタビューを代行してもらい、レポートにまとめていただきます。
以前、インタビューしていただいたエキスパートの方が所属する会社の社長とお会いする機会がありましたが、その際にレポート内容と同じことを話されていたんです。情報の信頼性の高さを実感しましたね。
専門領域外のレポートも分かりやすくまとまっており、クオリティが高く完璧でした。「いいところをついてくるな」と。品質が保証されていると感じました。
良いエキスパートの方を紹介していただきました。
目的に合わせて、最適な伴走者を都度アサインすることが可能
スピーダ エキスパートリサーチを活用した後の印象を教えてください。
弊社は、事業開発を効率的に進めるにあたり、大手のコンサルティングファームをはじめとした外部パートナーと協業するケースもあります。
弊社がお願いするリサーチにはいろいろあるので、スピーダ エキスパートリサーチのように、目的に合わせて最適な伴走者を都度アサインするスタンスの方が、効率良く知見を得るのに適していることもあります。ピンポイントで必要な情報を確実にフィードバックいただくために、調査の設問設計に対しても、エキスパートによる再設計ができることは重要です。
スピーダ エキスパートリサーチを活用すると、お客様から難しいテーマや案件でご依頼いただいた場合に必要最小のメンバー構成で対応することができています。
そういう意味では、このサービスはコンサルティング業界に革命をもたらしたのではないでしょうか?
コンサルタントのなかには、組織に縛られず、自分のスキルを活かしてエキスパートとして参画できる、スピーダ エキスパートリサーチのビジネスモデルで活きる人もいるでしょうね。
革新的なビジネスモデルだと思います。
情報をオープンにしないと、良質なインサイトは導けない
かなり多くのプロジェクトでスピーダ エキスパートリサーチを利用いただいています。うまく活用するポイントはありますか?
心理的なハードルもあって、事業開発の担当者は情報を開示したがらない傾向がありますよね。インサイトの抽出であれば、ある程度情報はオープンにしてリサーチした方がいいと思います。
事業の目的や取り組みを曖昧にしたままインタビューを進めると、途端に精度が落ちます。
また、得た知見は「変わる」という前提で、あまり大事にしない方がいいと思っています。判断材料として使うのであれば、アップデートが必要です。
未来の事業アイデアを検討するのに、スピーディーに時代の変化を捉えることができるスピーダ エキスパートリサーチは大いに役立ってくれています。
これからは「個」の力が重視される時代になる
スピーダ エキスパートリサーチは、今後も皆さまのお役に立てそうでしょうか?
コロナ禍を経て、ますます仕事の仕方は変わっていくと思います。
これからバブル期に大量に入社した人たちが第一線から退くことで権限が移行する、いわゆる「2025年の崖」に向けて、各企業はどのように組織を構築していくのかを今考えているのではないでしょうか。
仕事がなくなる人がいる一方で、付加価値の高い仕事を生み出していればいつまでも働ける時代になる。それに向けて準備しないといけないですよね。
スピーダ エキスパートリサーチで「個人の知見」がいろいろなビジネスの場面で求められているということは、今まで会社で培ったものが他でも活かせるということ。そうなると、より「個」のスキルが重要になっていきますね。
個人にバリューを提供しているスピーダ エキスパートリサーチは、今の時代にマッチしたサービスだと感じています。ミーミルは今後、個人を組織化しているということが、大きなアドバンテージになるのではないでしょうか。
今後の展望を教えてください。
コロナで新規事業の創出が加速する一方で、在宅ワークが増えたこともあって、事業開発に携わる人たちはさらに孤独感を増していますよね。そこをオンラインでサポートしたいですね。
「FORTH」は新規事業開発に最適なアプローチなので、知名度を上げてもっと浸透させたいと思っています。まずは社内でミーミルさんと一緒に「FORTH」のオンラインセミナーをやって、新規事業を検討している人たちの一助になれるとうれしいです。
その際のニュースリリースは、興味を持ったときに問い合わせやすいように、部署名ではなく個人名で発信しようと思います。
社内でも「個」を売る時代になっていくでしょうね。
日本電気株式会社 (NEC Corporation)
jpn.nec.com/業種
システム開発・SIer・ソフトウェア開発
部署・職種
コンサルティング
企業規模
5000人以上
主な利用シーン
コンサルティングサービスの提供
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日本電気株式会社 (NEC Corporation)
デジタルビジネスプラットフォームユニット
デジタルビジネスオファリング事業部山田 様
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日本電気株式会社 (NEC Corporation)
デジタルビジネスプラットフォームユニット
デジタルビジネスオファリング事業部西村 様