時間コスト削減と発想力アップで、ビジネスアイデアの企画立案・実現のスピードが急加速しました。

大手通信会社のビジネス開発部門における活用

東日本電信電話株式会社

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NTT東日本は1999年に誕生した、東日本地域の電気通信業務とその利活用を担う会社です。現在は地域に根ざしたICT企業として電話回線、インターネット回線にとどまらず、AI、ネットワークカメラ、ロボティクスなど多岐にわたるサービスを医療・福祉、公共、教育、農業などの分野へ提供しています。同社で新規サービス開発のためのマーケティングリサーチやアクセラレータープログラムを企画・実行している窪田様、若木様に、SPEEDAが果たしている役割を伺いました。

サマリー

  • 協業先やマーケットのリサーチにかかる時間的コストを4分の1に削減
  • 部署内のマーケティングリサーチスキルが標準化された
  • SPEEDAのトレンド、業界レポートや関連情報でビジネスアイデアが広がった

NTTグループのアセットを活用し、
新たなサービスを開発

ビジネス開発本部のミッションと、お2人の業務内容を
お教えください。

窪田様:ビジネス開発本部はNTT東日本が提供する全てのサービスを開発する部署です。通信NWにとどまらず、IoT・AI等を活用したさまざまなサービスを新しく企画・開発しています。部内は新規サービス開発、地方創生、通信NWの高度化、アライアンス先の開拓といったテーマを持ち、幅広い領域で事業拡大を行っています。私自身は、マーケティング担当として社内のさまざまな部署から寄せられるマーケティングリサーチやツールの導入などをチームを率いて実践しています。

若木様:ビジネス開発本部は当社におけるサービス開発のヘッドクォーターで、現在600人ほどのメンバーが所属しています。わかりやすく言えば、NTT東日本のアセットを使って社会課題を解決し、人々の生活を豊かにする部署です。 私はアクセラレーション担当として、主に新規サービス開発を任されています。例えばアクセラレータープログラム「LIGHTnIC(ライトニック)」では、第3期目となる2019年はプログラム初の公募により約100社、また独自に検討したスタートアップ数百社の中から16社を採択させていただきました。 またそれ以前の部署でもスタートアップ企業との共創に取り組ませていただきました。

例えば、クラウド型カメラサービスの「ギガらくカメラ」は、当社の提供するカメラや通信環境、導入インフラなどを、セーフィー株式会社と協業して防犯、ユーザーの動態分析などに活用できるようしたサービスです。自前で運用していたサービスを半年弱でリニューアルし、カメラの映像を誰でも手軽にクラウド型のスマホ、パソコンアプリへ送信・蓄積できるようにしたところ、専用カメラが月間数千台のご用命をいただく商品となりました。取得した映像をAIで分析する「AI映像プラットフォーム構想」の実現も意気込んでいます。

皆さんが目指すビジネス開発の姿はどのようなものですか?

若木様スタートアップのようなスピード感でサービスを生み出すことです。当社の場合、新規ビジネスを行うためには関連省庁や法令、グループ企業と慎重に検討・議論しなければなりません。そのプロセスをなくしたり、変えたりすることは簡単ではありません。一方、ビジネスアイデアの企画・立案やマーケティングリサーチはもっと加速化できるはずです。こうした業務を効率化し、ビジネスの生まれるスピードを変化させたいと考えています。

窪田様当社は長年、電話回線や通信回線など、社会のインフラとなるようなサービスを提供してきましたが、ここ数年は事業領域を大幅にシフトし、特に法人のお客様に対してNW、IoT、AI等を活用したサービスを提供し、お客様の経営課題を解決する事に注力してきました。その為には、お客様を深く理解し、ニーズにあったサービスをスピーディーにご提供できることが基本です。多種多様なお客様の業界分析、ニーズ分析、ビジネスの企画・立案等のプロセスはスピードアップし、短期間で新しいサービスを市場に投入したいと考えています。現在もニューノーマルに即したビジネスを早期に立ち上げるべく日々検討を重ねております。

リサーチ業務が大きな負担に。
マーケティングスキルのばらつきも課題

SPEEDAの導入前はどのような課題や危機感をお持ちでしたか?

窪田様:事業領域の拡大に伴い、通信市場だけでなく非通信の市場をリサーチする事が増え、情報収集と分析にチームメンバの稼働がかかっていました。また、自分たちでリーチできない分野の詳細リサーチは外部のパートナーに依頼することもあり、その場合は結果が手元に届くまで時間がかかり、プロジェクトは長期化、新しいサービスがローンチされるまで半年以上かかることもありました。

若木様:私たちのように事業開発の最前線にいる人の多くは、リサーチや情報収集の大変さに疲弊しています。外部のパートナーにリサーチを依頼しても、早くて1カ月はかかります。しかし昨今の市況スピードにおいては一日も早くリサーチ結果が欲しいので、日々もどかしい思いを抱えていました。これは実際に会った話ですが、例えば、急に養鶏業界や公衆トイレについて調べなければいけない時に、インターネットで調べてみても、有益なデータにたどり着くのは困難です。

窪田様:それに加えて、市場を先取りしたサービス開発を実現するには、部内全員が市場や技術動向を理解する事が基本ですが、部内におけるマーケティングスキルは属人的で、「はじめてエクセルを触りました」というメンバーから「ローデータから分析、グラフを駆使してレポート作成ができます」という人までさまざまです。スキルの高いメンバーに業務が集中し、業務が滞ることもありました。そのため、部署全体のマーケティングスキルの底上げ・標準化が急務でした。

SPEEDAを導入する際、決め手となったポイントは?

窪田様:圧倒的な利便性の高さと検索スピードの早さです。さまざまなサービスと比較検討しましたが、SPEEDAは独自の経済ニュースを提供するユーザベースグループならではの視点で情報が分析・整理されているところが魅力的です。データの検出スピードもずば抜けて早く、グラフや表を駆使したビジュアライズは視認性が高いです。そして、クラウド上で定量的な情報をいつでも取得できるため急を要するリサーチにもすぐ対応できます。バランスのよい機能が搭載されていると感じました。

※SPEEDAを使って作成されている市場分析データの例。

若木様SPEEDAは調べたいキーワードを入力するだけで、マーケット規模や主要プレイヤー、国別の業界動向などをすばやく表示してくれます。しかも、その情報をワードファイルやCSVでエクスポートできるため、ダウンロードしたファイルをそのまま上層部に提出できます。時間的がかっていたリサーチ業務をスピード感高く代行してくれるだろうと、期待が膨らみました。また、SPEEDAの情報は希少性が高いとも感じました。インターネットを検索して得られる情報は、誰でも簡単にたどり着ける情報です。その点、SPEEDAは専門性の高いアナリストたちが最新のマーケット情報を独自に収集・分析しています。オリジナリティと付加価値の高いソリューションだと思いました。

導入前にトライアルを実施。リサーチ時間が目に見えて減少

導入時はどのような社内プロセスを取りましたか?

窪田様部員のうち、約1割のメンバーに期限付きトライアルで利用してもらいました。それは主にマーケティングとアライアンス先開拓担当の課長、主査、現場社員などです。このとき重視したのは、2つの指標でした。1つは既存業務の効率化。マーケティングや企業研究、ターゲットリストの作成などに活用し、これまでと比べてどれぐらいリサーチ時間が短縮できたかを測りました。その結果、60分かかっていた業務が15分で完結するなどの例が多数見られました。もう1つは新しい価値を創出できること。情報収集にかかる時間を削減できたため、本来注力すべき分析や戦略・企画立案などの業務に集中できるようになりました。それに加えて、調べたい領域の関連情報も検出されるため、新しいビジネスアイデアが浮かんだり、既存ビジネスと組み合わせるテクノロジー・プロダクトを新たに発見できたりと発想力も高まりました。時間削減効果と付加価値の高さをアピールし、経営陣の前で使い方のデモンストレーションを行ったところ、スムーズに導入が決定しました。

※SPEEDAを使って作成されている市場分析データの例。 

導入後、具体的にどのようにSPEEDAを活用していますか?

窪田様:部員総出でSPEEDAのあらゆる機能を使っています。トレンド、業界レポート、企業ページや競合財務比較、プレイヤー一覧、ニュース、そして資料の自動作成まで、幅広く活用しています。サービス開発をする際はマーケットサイズを知ることが不可欠ですし、アライアンス先を開拓するためには業界レポートで各業界の勢力図を見ることが重要です。どの企業と組むべきかターゲティングするときにも活用しています。機能が幅広いので、定期的にSPEEDAのカスタマーサクセスチームの方々に勉強会も開催していただいています。

若木様:類似企業PER(PER=株価収益率。企業の成長性を分析する際に重要な指標の一つ)は特に便利な情報の一つです。アクセラレータープログラムの採択企業や出資企業との協業を検討する際、そのビジネスがどれぐらいスケールするか、世の中にどれぐらいニーズがあるかを知るために欠かせない情報です。競合財務比較やプレイヤー一覧もPERやバリュエーションを見るために日々、活用しています。

時間的コストが削減でき、1人で担当できるリサーチ件数が約5倍に

導入後にどのような変化がありましたか? 定量、定性の両面からお知らせください。

窪田様:私の担当するマーケティングチームは、経営陣やwi-fi、IoTなど各サービス開発担当者などさまざまな部署からリサーチ依頼を受けます。その際、既存の事業領域であれば今までの蓄積データで即時分析可能ですが、新しい事業領域に関する場合、いままではインターネットの検索エンジンで複数サイトから公開情報を収集・分析してましたが、いまはまずSPEEDAで検索します。

※SPEEDAを使って作成されている市場分析データの例。

おかげでそれまで数日かかっていたレポート作成が、ほんの数時間で終わるようになりました。しかも自動資料作成機能でダウンロードすれば、自分でグラフや表を作成せずとも美しくビジュアライズされたワードファイル5枚ほどのレポートができあがります。1人で対応できるリサーチ件数も、それまでは1人1件ほどでしたが同時に5件を並行して対応できるようになりました。コロナ影響でテレワークでの業務運営にシフトしてからも、生産性を落とさずにマーケティングができています。

それから、ニッチな業界のリサーチにも役立っています。若木のようなアクセラレーター担当や地方創生担当は、耳馴染みのない業界についてリサーチしなければならないことがあります。例えば、2019年の「LIGHTnIC」ではAIカメラによる養鶏の生産性向上とオートメーション化が採択されました。あるいは「日本全国の公衆トイレの数」についてリサーチしなければならなくなったこともあります。さすがに「養鶏」や「公衆トイレの数」などの分野はSPEEDAにもなかなか情報がありませんが、サポートデスクに調査の切り口を相談したり、代替案を提示いただくなど助けてもらうこともあります。SPEEDAは私たちのリサーチ業務を支えてくれる心強いパートナーだと実感しています。

今後の展望は?

窪田様:マーケティング担当として、市況を先読みし全体感を把握すること、それに加えて現場でサービスを利用するユーザーのリアルな声を適格にすくい取ることが重要だと思っています。後者については、は2020年4月にユーザベースの完全子会社となったMIMIR(ミーミル)の「リアルな人の知見、ユーザの生の声」の活用も始めています。 今後は、SPEEDA×MIMIRで公開情報の網羅、公開情報で調査できないフィールド情報の深堀を実施し、地域の社会課題解決・お客様の経営課題解決に資するビジネスを開発、展開していきたいと思っています。

若木様:SPEEDAによるリサーチと、MIMIRによる専門の方のリアルな声の収集というユーザベースグループのソリューションをフル活用し、ビジネスをドライブさせていきたいと思っています。

2020.7 インタビュー

東日本電信電話株式会社

www.ntt-east.co.jp/
  • 特色

    1999年にNTTの分社化・再編によって誕生した、東日本地域の電気通信業務およびその利活用を担う会社です。現在は地域に根ざしたICT企業として電話回線、インターネット回線にとどまらず、AI、ネットワークカメラ、ロボティクスなど多岐にわたるサービスを医療・福祉、公共、教育、農業などの分野へ提供しています。

  • 業種

    情報通信・IT

  • 企業規模

    1000〜4999人

  • 主な利用シーン

    事業開発/新規事業開発

  • 東日本電信電話株式会社

    ビジネス開発本部 第二部門
    ビジネス企画担当 担当課長

    窪田 真弓様

  • 東日本電信電話株式会社

    ビジネス開発本部 第二部門
    アクセラレーション担当

    若木 豪人様