第一線で活躍する登壇者をアサインできる
「ソフトバンクイノベンチャー」の新規事業アイデア創出を陰で支える大きな存在
SBイノベンチャー株式会社
【導入の目的】
幅広い業界有識者の登壇による社内セミナー・勉強会の品質向上
【抱えていた課題】
・新規事業アイデア創出の気付きを得たり、アイデアの質を高めるために、事業テーマに合致した専門性の高いセミナー登壇者を呼びたい
・自社で目的に応じた講師を探し、セミナー開催に至るまでの工数を削減したい
【活用サービス】
EXPERT Seminar(エキスパートが登壇する社内セミナー/勉強会)
サマリー
- ・テーマに合致した業界有識者・専門家をアサインすることができた
- ・セミナーに参加した社員の起業家精神醸成に寄与した
- ・エキスパートからヒントを得て、より質の高いアイデアが生まれるようなった
- ・企画担当者の工数が圧倒的に削減された
社内勉強会のアップグレードのため、著名人やより専門性の高い登壇者を求めていた
御社の事業概要とお二方の役割やミッションをお聞かせください。
SBイノベンチャー株式会社は、ソフトバンクグループの社内新規事業制度「ソフトバンクイノベンチャー」の企画・運営、また、そこで採択された事業の伴走支援を行っています。
ソフトバンクイノベンチャーは、新規事業アイデアの創出から応募までの「インキュベーション」、応募案件の「審査」、審査を通過した案件の事業化を推進する「アクセラレーション」の3段階に分かれて構成されています。
2011年に制度を開始し、新規事業アイデアの応募実績は2022年8月時点で7,480件まで増えています。うち104件が最終審査を通過、20件が事業化にいたっています。
また、2016年には、応募前に新規事業ノウハウを学ぶコミュニティとして「イノベンチャーラボ」を立ち上げました。
さらに、今季からはソフトバンクイノベンチャーで培ってきた運用ノウハウ(事業創出・成長、制度設計)を社外にも提供しています。
スピーダ エキスパートリサーチをご利用いただいた経緯はどのようなものでしたか。
「イノベンチャーラボ」主催の勉強会をアップグレードするために、勉強会テーマに合致したより専門性の高い登壇者を求めていました。それまでは登壇候補者へ直接アプローチしたり他社のサービスを活用したりしていましたが、スピーダ エキスパートリサーチを活用できるのではないかと考えました。
従来のセミナーや勉強会の運営について何か課題はありましたか?
テーマにそった登壇者を探し、コンタクトし、ご登壇いただくまでに非常に時間や労力を費やしていました。特に、各業界の最先端を走っている方や著名な方をアサインするのは一苦労でした。
我々がセミナーや勉強会を行う狙いの1つは、新規事業に対して社員に興味を持ってもらうこと。そのために、実際に事業で成功している若手起業家や、新規事業の立ち上げを成功させてきた方をお招きして話をしていただくことで、社員に広く起業家精神やチャレンジ精神を養ってもらうことを目指しています。
もう1つの狙いは、新規事業にチャレンジしてみたいという気持ちは持っているものの、アイデアが浮かばない人のためのきっかけづくりです。
特定業界が抱える課題や現状の社会課題を広く知ることで、アイデア想起を支援できればよいと考えています。特に、普段接することのない他業界のリアルな課題を知ってもらうことが重要だと考えていました。
ただ、我々自身、業界の専門家とのつながりが数多くあるとは言えず、お声がけしてからご登壇に至るまでが非常に難しいという現状がありました。それまでは、知り合いのつてで探したり、講演実績のある方にホームページ経由で直接依頼したりしていましたが、時間がかかり、お引き受けいただけないことも多くありました。
そんな中で、スピーダのエキスパートデータベースなら、我々がリーチできないような有識者や著名人にお声がけできるのではないかと思い、導入に至ったという経緯があります。
毎回テーマを決めて、セミナーや勉強会を実施するスタイルは当初から続けてこられたのでしょうか。
以前は、ソフトバンクグループの「情報革命で人々を幸せに」という経営理念に合っていればテーマは自由としていました。
今でもそこは変わりませんが、「アイデアは良くても、市場選定を再考すべき」というケースが一定数あると感じ、ある程度我々が今後の成長を期待できる業界や市場をテーマとして設定した上で、新規事業のアイデアを考えてもらう形にしました。
そこで、私たちとしては先進性があり、かつ市場拡大が望めるテーマを選んでいく必要がありますが、今後は、スピーダが持つ先進的かつ幅広い知見を基に、この部分も支援していただけるとうれしいです。
どんなテーマでも、理由を添えて最適なエキスパートを推薦してくれるので助かっている
サービスを使っていただいた率直なご感想はいかがですか。
すごく助かっています。今ではなくてはならない存在ですね。
メタバースやWeb3といった尖ったテーマから、食や教育といった普遍的なものまで、スピーダの場合はどのようなテーマでも対応可能な印象があるので、実現可否をあまり気にせずに依頼させてもらっています。
起業家精神の醸成を目的としたセミナーの講師は、知名度がある方にお願いするケースが多いですが、実際に自分でその分野で新規事業を創出していて、最新の業界動向がわかる方をアサインしていただくケースもあります。
スピーダがすごいなと思うのは、こちらの目線に立って候補者を挙げてくださるところ。ただ経歴だけを並べられたら誰を選んでいいのか迷ってしまうと思いますが、我々がどのような背景で何を求めているのかをきちんと把握して、「なぜこの人を選んだか」の理由を添えて推薦いただけるので、非常に選定しやすいです。
社内で説明する上でもきちんとした理由付けができるため、承認が得られやすいというメリットもあります。
テーマ別の勉強会は、どのような内容で実施されているのですか。
基本的にはマーケットの規模や動向、業界に精通されている方だからこそわかる課題感、国内外の最新情報や事例などが中心です。あとは、参入時のポイントや参入後の動き方など具体的なところもお話しいただくことが多いです。「このような視点でアイデアを出せるとおもしろいかも」といったアドバイスもしていただいています。
とくにフェムテックの専門家にご登壇いただいたときは、「新規事業の可否をジャッジする役員の大多数は男性なので、アイデアを磨くだけでなく、社内承認を受けるための立ち回り方が重要」ということで、具体的なテクニック面からもお話しいただけて、こちらの期待を上回る内容でした。
自己成長目的で参加した勉強会をきっかけに新規事業への意欲が向上することも
セミナーや勉強会は参加者の心理変容や行動変容に結びついていますか?
アンケートでソフトバンクイノベンチャーへの応募意欲の変化を見ていますが、参加者の4割以上が勉強会参加後に「応募意欲が高まった」と回答しています。
元々ソフトバンクイノベンチャーに興味がなかった人が興味を持つきっかけになったというケースも多いです。例えば法人担当が専門家の知見を自分の仕事に活かすために勉強会に参加したけれども、その後新規事業に興味を持って応募することもあります。また、自己成長のための参加が多いのですが、勉強会をきっかけに応募につながることは多いです。
クリエイターエコノミーをテーマにした講演では、質疑応答が大盛り上がりで、本来であれば1時間半のところ、30分ほど延長したことがありました。他社様ではなかなかないほどの熱量を感じましたが、セミナーを盛り上げていくために御社が工夫している点はありますか。
一番の要因はソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)が持つ企業風土でしょうか。起業意欲のある人の多さや、自分で主体的に動く「手挙げ文化」は大きな要因になっていると思います。イノベンチャーラボは約5,500人のコミュニティになっていますが、元々新規事業に興味がある人が集まっているコミュニティなので、ここにメールで告知するだけでも参加者が一気に集まります。
また、質疑応答では、匿名でいつでも質問が送れるツールを使っているので、活発に質問が生まれるということも1つの要因かなと思います。
最近は、事業開発スキル向上のセミナーにもエキスパートをアサインしてご支援させていただいています。こちらの企画にサービスを活用された理由は何でしたか。
ソフトバンクでは、成長戦略として「Beyond Carrier」を打ち出しており、通信事業を基盤に新規事業開発に挑戦し、企業価値の最大化を目指しています。ソフトバンクの新規事業人材の育成・輩出もSBイノベンチャーで担っています。
現在は、参加者のリテラシーやレベル感がまちまちなので、レベルに合ったコンテンツを提供して成長を促すような体系立てたアプローチができないかと考え、活用させていただいています。
今後のソフトバンクイノベンチャーにおける取り組みの展望と、その上でスピーダに期待することがあれば教えてください。
1つは、セミナーを聞いただけで終わってしまう人を減らし、きちんと新規事業への興味に火をつけるための取り組みです。
どうしてもセミナーの1時間半だけだと学びきれないところはあるので、より細かい部分や、個々が持っている仮説を、もう一歩掘り下げるような仕組みをつくっていきたいです。具体的には、インプット型よりもアウトプット型のセミナーを強化していくイメージです。
もう1つは、先ほどもお話しした、スキル向上セミナーを通した人材育成プロジェクトについてです。今は単発でセミナーを実施していますが、これを継続して体系化したプログラムにしたり、きちんと自己成長をしているという効果を可視化していきたいと考えています。
期待することとしては、例えばスピーダが支援されている企業と、社内起業に関するコミュニティをつくり、一緒にイベントを実施して事業創出できるような場が作れたらおもしろいのではないかと思い描いています。
※掲載の情報は、取材時点のものです。
SBイノベンチャー株式会社
www.sbinnoventure.co.jp/業種
業務支援・コンサルティング
部署・職種
経営企画・事業戦略
主な利用シーン
事業開発/新規事業開発
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SBイノベンチャー株式会社
事業推進部
田島 正之様
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SBイノベンチャー株式会社
事業推進部
市川 美穂乃様