技術トレンドの“波が来る前”に未来を構想

Speedaで先端技術動向を読み解く田中貴金属の進化

株式会社田中貴金属グループ

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既存事業の成熟が進み、市場変化のスピードが加速する中、「次の柱をどう構想するか」は多くの企業に共通する課題です。特に研究開発型の企業では、技術探索や新規事業の芽を見つける情報収集が属人化し、議論の再現性やスピードが損なわれがちです。

1885年創業の田中貴金属では、創業200年となる2085年を見据えた超長期経営計画「TANAKAルネッサンスプラン」を掲げ、社内風土の刷新と新規事業の創出に挑んでいます。また、共通言語となる情報基盤を整備するために、Speeda(経済情報リサーチ/スタートアップ情報リサーチ)とSpeeda イノベーション情報リサーチを活用。経営陣と現場の目線が一致した事業探索を進められています。

本記事では、同社・未来創り本部の近藤様と仲沢様に、Speeda導入の背景と活用方法、そして“未来を構想する企業”への進化・手応えを伺いました。

創業140年 田中貴金属の新規事業をリードする未来創り本部

未来創り本部のミッションとお二人の役割を教えてください。

近藤様:未来創り本部は、「イノベーションが生まれる企業文化の創造」をミッションに、社内風土の変革や新規事業の創出を推進しています。私は本部のチーフマネージャーとして、国内外のスタートアップとの協業など、オープンイノベーションを中心に担当しています。

仲沢様:私はこれまで貴金属を用いた新製品の技術開発や、大学との共同研究を通じた事業化テーマの創出に携わってきました。2025年4月に未来創り本部へ異動し、現在は大学や研究機関、スタートアップと連携して、新たな事業テーマの探索を進めています。

近藤様:当社は1885年の創業以来、産業用、資産用、宝飾用の3分野で貴金属事業を展開し、長年にわたり強固な事業基盤を築いてきました。一方で、そうした既存の枠組みだけでは、社会や産業構造の急速な変化に十分対応できないのではないかという危機感もありました。

仲沢様:貴金属に限定せず事業を模索していくことは、私たちにとって大きな転換点だと感じています。ただし、いきなり全く別の分野へピボットするわけではなく、ロンドン金市場(LBMA)の公認審査会社として世界的に認められた分析技術など、当社が長年培ってきたコア技術を活かし、他分野への応用可能性も探っています。

産業事業では、貴金属加工品や化学品、リサイクル事業をグローバルに展開し、世界の産業を支えている

参入領域の特定には“共通言語”となる情報基盤が不可欠

未来創り本部では、Speeda(経済情報リサーチ/スタートアップ情報リサーチ)とSpeeda イノベーション情報リサーチを活用されています。導入の背景を教えてください。

近藤様:当初はコンサルティングファームを通じて情報収集を行っていたのですが、調査範囲には限界があり、情報の網羅性やコスト面の課題を感じていました。

また、社内で「どの領域で何を進めるのか」を議論する際、現場と経営層との間で事業テーマに対する認識や理解の解像度に差が出やすく、目的や背景のすり合わせに時間を要する場面もありました。こうした課題を解消するには、海外を含めた幅広い情報を網羅的に把握でき、社内で共通言語として使える情報基盤が必要だと考えたのです。

そのタイミングで出合ったのが、「Speeda」と「Speedaイノベーション情報リサーチ」でした。Speedaでは国内外の企業の市場動向や業界別の競合調査ができ、イノベーション情報リサーチではグローバルにおけるイノベーション領域の最新動向、大企業やスタートアップの参入情報などを調査できるため、まさに当社が求めていた情報基盤だと感じました。研究開発部門から異動を予定していた仲沢にとっても有効な情報収集ツールになると考え、導入を決断しました。

株式会社田中貴金属グループ 未来創り本部 経営企画準備室 チーフマネージャー 近藤弘潤 様

最先端の技術トレンドを俯瞰し、経済情報で深掘り調査を実行

実際の業務において、2つのサービスをどのように活用されていますか?

近藤様:私は主に探索するテーマの方向性を設定するために活用しています。例えば、「同じ業界の企業がどんな領域でイノベーション活動を行っているか」を把握したい場合はSpeedaイノベーション情報リサーチを使い、各社がどのようなテーマで新規事業や技術開発に取り組んでいるのかを俯瞰的に把握します。そこで「生成AI活用の動きが加速している」と判明した場合は、仲沢に共有し、活用領域や目的についてさらに深掘りしてもらいます。

主にリサーチを担当している仲沢さんは、2つのスピーダをどう併用していますか。

株式会社田中貴金属グループ 未来創り本部 経営企画準備室 マネージャー 仲沢達也 様

仲沢様:Speedaイノベーション情報リサーチは、主にマクロ視点での情報収集に活用しています。海外を含む技術トレンドやスタートアップの動向を俯瞰的に把握できるため、新しい探索テーマを検討する際の出発点として非常に便利です。

特定のテーマをより深く掘り下げたいときにはSpeedaを使います。メニューの1つである「技術を探す※1」は技術分類が細かく、自分の分析軸に沿って情報を整理しやすい点が魅力です。ニュースや企業の取り組み事例など関連情報をたどっていくうちに、次々と新しい発見があり、気づけば時間を忘れてしまうこともあります。

また、必要な情報にたどりつけないときは、Speedaイノベーション情報リサーチの「カスタムリサーチ※2」を利用しています。専属アナリストがニッチな領域まで丁寧に調査内容をまとめてくれるので、想定以上に深いレポートが得られる点が心強いですね。

※1 Speedaの「技術を探す」では、Speedaが独自に定義した約660の先進技術テーマ(技術分類)検索・選択できます。また、直近10年の特許出願数、科研費交付件数、スタートアップ資金調達件数を網羅的に確認できます。各技術分類ページでは、特許・論文から読み解くプレイヤー動向、技術・市場動向の複合的な分析、国際機関や各国政府の発信、研究助成金など、幅広い情報を収集・分析できます。

※2 Speedaイノベーション情報リサーチの「カスタムリサーチ」では、情報が少ない、あるいはニッチな領域の情報が必要な場合、Speedaの専門アナリストに個別調査を依頼しカスタムレポートを制作できます。どこにもない自社だけの一次情報で、戦略の差別化を図ることができます。

感覚的な議論がエビデンスにもとづく意思決定へ進化

Speeda導入後、どのような効果を感じていますか。

近藤様:効果は導入前のトライアル期間中、わずか1週間で実感できました。仲沢が私たちと同じ業界の材料メーカーが行っているスタートアップへの投資動向をSpeedaで調べ、生成AIなどの先端領域でどのような協業が進んでいるかをまとめました。それを社長や役員に共有したところ、「我々もスタートアップとのコラボレーションをさらに進めるべきだ」という反応を得られました。それまでの「やった方がいい」という感覚的な議論が、エビデンスをもとに「やらなければならない」確信に変わりました。

他の役員層への報告でも同様の手応えを感じています。当社には、長年ものづくりの現場を率いてきた技術系の役員が多く、技術トレンドを軸にした情報の方が響きやすい傾向があります。スピーダによって技術的な知見と世界のメガトレンドを結びつけて議論できるようになり、経営層にとっても納得感のある意思決定がしやすくなったと感じます。

仲沢様:経営層への報告だけでなく、リサーチ現場でも大きな変化を感じています。特にSpeedaイノベーション情報リサーチは、海外のスタートアップや大学発の研究成果を横断的に俯瞰できるので、市場や技術トレンドの波が来る前、つまり注目が集まる前の段階から技術探索を始められるのは非常に助かります。

貴金属は電気伝導性や耐食性などに優れる一方で高価なため、コスト重視の量産市場では採用されにくい素材です。そのため、半導体やエネルギーなど、常に新しい技術が求められる先端分野に入り込むことが欠かせません。

市場が盛り上がってからでは遅く、研究論文や特許、スタートアップの動きなど、一次情報をたどりながら早期に動向をつかむ必要があります。Speedaを活用することで、将来の事業シナリオを描く議論を、より先手で進められるようになりました。

今後、Speedaをどのように活用していきたいと考えていますか?

近藤様:今後はSpeedaを次世代幹部候補や役員層の教育にも活用し、社内全体の情報リテラシーを高めたいと考えています。

Speedaは未来を見通せる情報構造になっているため、触れるだけで新しい視点が自然とインストールされる感覚があります。業界や技術ごとに閉じた見方ではなく、幅広い情報に出合うことがまず大切だと思います。

そして何より、「自分たちは何を知らないのか」を知ることができる。長い歴史を持つ、ものづくりの技術企業である私たちにとって、自社の強みを相対的に捉え直すこの気づきこそ、事業を再定義していくうえでの出発点になると感じています。

2025年9月インタビュー
※本文中に記載の企業名・役職・数値情報、Speedaのサービス名・機能・仕様等はインタビュー当時のものです

株式会社田中貴金属グループ

www.tanaka.co.jp/
  • 業種

    製造・メーカー

  • 部署・職種

    新規事業開発、研究開発

  • 企業規模

    5000人以上

  • 主な利用シーン

    事業開発/新規事業開発、研究開発、ビジネス戦略策定、事業戦略・全社戦略の策定

  • 株式会社田中貴金属グループ

    未来創り本部 経営企画準備室 チーフマネージャー

    近藤弘潤 様

  • 株式会社田中貴金属グループ

    未来創り本部 経営企画準備室 マネージャー

    仲沢達也 様

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