Salesforceとの連携で、セールスとマーケティングのデータ活用の壁が解消。リードへの迅速なアプローチが可能に
HENNGE株式会社
「テクノロジーの解放で世の中を変えていく。」をビジョンに掲げ、クラウドサービスにセキュアにアクセスできるサービスを展開するHENNGE株式会社。なかでも、SaaS認証基盤「HENNGE One」は、クラウド・セキュリティ分野で7年連続市場シェアNo.1を誇っています。同社では、マーケティングとセールスのデータ活用を合理化・効率化すべく、スピーダ 顧客企業データハブを導入。自社で活用しているCRM/SFAツール「Salesforce」との連携など、具体的にどのように活用されているのか、お話を伺いました。
【導入の目的】
・大型イベントのリードの整備を自動化し、スピーディーな営業アプローチにつなげたい
・マーケティングとセールスのデータ活用の壁を払拭したい
【課題】
・新規リードの振り分けをほぼ手作業で行っており、時間がかかっていた
・マーケティングとセールスそれぞれが管理しているリードが紐づいておらず、アプローチの優先度を判断しにくかった
サマリー
- ・多くのリード流入に対応できる体制が整い、大幅な業務工数削減に成功
- ・リードに詳細な企業情報が付与され、顧客への対応スピードや課題提案の質が向上
- ・非効率な営業アプローチが減り、セールス一人当たりの生産性が向上
大規模イベントの実施に向け、顧客データの管理体制の改善に着手
まずは、お二人のお役回りを教えてください。
板垣様: 私はマーケティングセクションの責任者として、「HENNGE One」のマーケティングを担当しています。新規開拓を目的とした戦略のプランニング、ターゲット企業選定、オペレーション設計といった全プロセスを担当しています。
高村様: 私はマーケティングオペレーションチームでリーダーを担っています。板垣やマーケティングプランナーが立案した戦略を推進・実行するため、データの管理やCRM/SFAツールの設計、MAツールの運用などを担当しています。
スピーダ 顧客企業データハブの導入に至った背景には、どのような課題があったのでしょうか。
板垣様: 営業の方から提案を受けたことをきっかけに、スピーダ 顧客企業データハブを知りました。豊富な企業データベースと、それを活用した顧客分析ができる点には魅力を感じていました。ただ当時我々は自前で必要な情報を集め、すでに取引先情報を可視化していたため、そのときは必要性が感じられず導入には至りませんでした。
しかし、2020年に1万人規模のオンラインイベントを自社開催することになったとき、それまでの顧客データの管理体制では、集客数値の正確な計測も、その後のリードへのアプローチも適切に行えないことがわかったんです。せっかく大量のリードを集めても、アプローチを始めるまでに、企業名の表記ゆれを整えたり、社内で保有している情報と突合したりする必要があり、その作業だけで何日も経ってしまう。スピーダ 顧客企業データハブがあれば、申し込みが入ったときから瞬時に既存リードとの突合が可能になるとわかり、急いで導入を進めました。
それまではどのようにリードを管理していたのですか?
板垣様: 当時はマーケティング部門で管理しているAdobe Marketo Engage(以下、Marketo)内のリードと、営業が商談管理に活用しているSalesforce上のデータが紐づいていない状態でした。そのため、新規のリードが入ってきたときに、既存リードとの重複の解消や社名の表記揺れの修正といった同期をほぼ手作業で行っていたんです。
一度に入ってくるリードが少ないうちはいいのですが、さすがに1万人規模のリードの対応は現実的ではないですよね。そのうえ3ヶ月という集客期間のなかで、初期に申し込みいただいた方へ適切なアプローチができないのはもったいない。
SalesforceとMarketo上のデータを、スピーダ 顧客企業データハブを挟んで連携することによって、新規リードに対して営業がすぐにアプローチしやすい状況を作ることができました。
上場後のマーケティング戦略の変化にも対応でき、売上拡大に寄与
そもそも、1万人規模のイベントを開催するきっかけは何だったのでしょうか?
板垣様: ちょうど上場をきっかけに、マーケティング投資の拡大と売上貢献が、さらなる成長のためのミッションとなりました。そのためには大量のリードが必要でしたが、コロナ禍でオフラインのイベントが開催できなくなり、リードの獲得手段が限られてしまったんですね。
50人や100人規模のオンラインイベントは実施していたものの、新規獲得を飛躍させるほどのインパクトは出せていませんでした。だから起死回生の意味も込めて、1万人規模のイベントの実施を決めました。
成果はいかがでしたか?
板垣様: 結果的に、1万1000人以上の集客に成功しました。スピーダ 顧客企業データハブを活用したことで、常に精緻な集客状況を把握でき、会期終了の翌営業日には申込者数をプレスリリースとしても発表できました。ポジティブなニュースをタイムリーに出せたのは嬉しかったですし、営業アプローチもスムーズに行うことができました。
より多くのリード情報を自動で精査できる体制が整ったことで、イベント後のマーケティング戦略にも影響はありましたか?
板垣様: 上場前はセールスの生産性を考慮し、従業員300名以上の顧客情報のみがデータメンテナンスの対象でしたが、上場を機にパートナー販売を拡大し、その基準を100名以上に引き下げました。扱うリード数が一気に増えたのですが、スピーダ 顧客企業データハブを導入したことによりこの変化にも対応できるようになりました。
スピーダ 顧客企業データハブ導入時のハードルはありませんでしたか?
高村様: 導入できなければ、イベント後のリードアプローチが破綻しかねない状況でしたので、上申はスムーズで社内の納得感も得られました。導入後の浸透にも、障壁や弊害は感じていません。
セールスとマーケティングのデータ活用の壁が取り払われた
スピーダ 顧客企業データハブ導入以後、社内にはどういう変化がありましたか?
板垣様: SalesforceとMarketoのリード情報が同期されたことで、セールスとマーケティングが同じ顧客データを利用できるようになったことです。問い合わせのリードにも、過去のキャンペーンが紐付いた状態で、Salesforce上ですぐに確認できるようになりました。
顧客データが双方にとって使いやすい形になったのですね。
高村様: そうですね。日々のお問い合わせも即時に新規リードとしてアプローチできるし、フレッシュな状態を保てています。イベントやセミナーは月2〜5回の頻度で開催しているのですが、その集客も順調です。
アクションのスピードやコミュニケーションの質も変わりそうですね。
板垣様: はい、Salesforce上のリード情報に企業の決算時期や売上規模、利用サービス、個社の特徴を示す「シナリオ」といったスピーダ 顧客企業データハブの企業データが付与されたので、セールスからは「アプローチ優先順位がわかりやすくなった」と、便利さを実感してくれています。
高村様: 我々が提供しているソリューションとの親和性を、企業の利用サービスや売上規模などから把握ができるのもいいですね。どのような課題解決が可能かという仮説が立てやすく、導入までの顧客とのコミュニケーションがより効果的にできます。
アプローチの優先順位がわかれば、景色が変わる
これからデータ活用によってマーケティングを推進したいという企業に向けてアドバイスがあればお願いします。
板垣様: 「優先順位」とだけ聞くとさほど重要に聞こえないかもしれませんが、100件目のアプローチでようやく1件商談化するのと、10件目で商談化するのでは効率もモチベーションも全く違います。
ありがとうございます。最後に、今後の展望について教えてください。
板垣様: 我々は、Salesforce・Marketo・スピーダ 顧客企業データハブを連携させたことで、イベント参加やWebサイト閲覧、資料請求をしている顧客の動きを、即座にセールス担当者に知らせることができるようになりました。
顧客のニーズが高いタイミングでアプローチができ、商談獲得の効率も上がっています。これからも、スピーダ 顧客企業データハブをはじめとしたデータの連携と整理を進めて、セールスの効率化と合理化を加速させたいです。
高村様: 多くの施策を行いながら必要なリードを獲得するには、データの活用が欠かせません。今後は、スピーダ 顧客企業データハブの活用の仕方をさらに工夫することで、マーケティングもセールスも進化させたいと思っています。
※本文中に記載の企業名・役職・数値情報、スピーダ 顧客企業分析の仕様等はインタビュー当時のものです。
HENNGE株式会社
hennge.com/jp/業種
システム開発・SIer・ソフトウェア開発
部署・職種
マーケティング
企業規模
100〜499人
主な利用シーン
営業・マーケティング戦略策定
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HENNGE株式会社
Corporate Communication Division Marketing Section Section Maneger
板垣 慎介様
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HENNGE株式会社
Marketing Ops
高村 祐司様