戦略的なマーケティング施策立案は、ターゲティングと保有リード状況の可視化から

株式会社マクニカ

User's Voice

半導体、ネットワーク、サイバーセキュリティ、AI / IoT におけるトータルサービス / ソリューション・プロバイダーの株式会社マクニカ。
今回は、コーポレートマーケティング室長 堀野史郎様に、MAツールと企業データを活用したマーケティング施策の組み立て、インサイドセールスの活用について伺いました。

【導入の目的】
・データ整備による保有リード資産の活用
・中小中堅企業を開拓するためのインサイドセールス強化
【課題】
・ターゲット企業のリード保有状況が分からない
・企業属性データがなくターゲット企業の定義が曖昧

サマリー

  • リード保有状況に応じて施策が組み立てられるようになった
  • インサイドセールスの取り組みが1商材から複数商材に拡大

データ統合による総合的な提案の実現。中堅中小企業への営業範囲の拡大を目指して

スピーダ(スピーダ 顧客企業分析、スピーダ 顧客企業データハブ。旧称:FORCAS)は現在どのように活用いただいていますか。

堀野様: 株式会社マクニカと、当社の子会社で企業向けのネットワークやサイバーセキュリティ製品を扱うマクニカネットワークス株式会社でスピーダを利用しています。MAツール『Marketo』で管理されているリードデータのマネジメント、マーケティング方針の策定、およびインサイドセールスの強化で活用しています。展示会で獲得した名刺に対して、営業からとにかく電話していた頃と比べると、明らかに成果が出てきています。

取り組みの背景を教えてください。

堀野様: 我々が扱う商材は半導体やネットワークなど非常に多くありますが、それらを商材縦割りにせずお客様に対して総合的にベストな提案を今後行いたいと考えました。そこでまず大量のリードデータを一元管理することになり、『Marketo』の導入を決めました。

また、商材によってはいわゆるSMB(中堅中小企業)を開拓して裾野を広げる営業活動が求められていました。しかし営業人員は限られていて、大手企業へのアプローチを削減するわけにもいきません。そこで、対象商材を絞ってインサイドセールスを立ち上げるトライアルがスタートしました。営業メンバーと役割分担しつつ、裾野が広い企業群をデータを活用して効率良く開拓することを目指したものです。スピーダはその取り組みを成功させるための基盤として必要だと考えました。

多数の保有リードの中から、ターゲット企業のリードを見つけられない状態だった

スピーダ導入前はどのような課題がありましたか?

堀野様: 商材によってターゲット企業のセグメント方法や営業体制が異なるので難しいところはあるのですが、セグメントの定義やリードの取捨選択に明確な基準がなく、営業担当者の経験と勘で行われている状態でした。

また、展示会などで獲得したリードには従業員規模や業界区分などの企業属性データが無いので、例えば「従業員数が1万人以上の企業にアプローチしたい」と営業から要望を受けても、Excelでリストを全部出して、ウェブで調べて1件1件手作業で対象を探す必要がありました。

スピーダ導入の決め手は何でしたか。

堀野様: まずはターゲット企業のリード保有状況を明らかにするため、リードデータを名寄せしてクレンジングしたり、従業員規模などの企業属性データを付与したいと思っていました。スピーダは利用データ量による従量課金ではなく固定月額制だったので、保有リード数が非常に多い当社としては導入を決定しやすかったです。『Marketo』とAPI連携して、企業属性データを自動的に付与できることも決め手でした。

詳細な業界区分データがあることも助かっています。以前はデータ提供元によって同じ企業に異なる業界区分がついていたり、フォーマットがばらばらだったりして整形が大変だったのですが、スピーダから一括でデータが付与でき、かつ業界区分が統一されるようになりました。

戦略的にマーケティング施策を組み立てることができるようになった

導入後の取り組みやその効果はいかがですか。

堀野様: ターゲットと考えているセグメントはそもそも母数があるのか、思い込みで動かずにスピーダで潜在企業数を確認する。「IT投資を積極的に推進している企業」といったシナリオでセグメントできるのはスピーダならではですよね。「デジタル化が遅れている企業」や「ECを運営している企業」の利用有無といったシナリオもどんどん活用したいです。

その上でセグメントが決まれば、該当する企業のリードが手元にあるのか無いのかによって施策を組み立てます。リードカバレッジが高ければマーケティングがインサイドセールスチームと協力してナーチャリング施策を行います。リードカバレッジが低ければ、アウトバウンドコールを中心に、外部の協力会社も活用して、コンタクトをつくるところから始めます。考え方としてはシンプルなのですが、戦略的にマーケティング施策を組み立てることができるようになったと感じています。

SMB開拓のためにインサイドセールスを立ち上げた商材では、当社の2人のメンバーがコールしています。既に保有しているリードにアプローチすることもあれば、スピーダでターゲット企業のリストを作成してそこにコールすることもあります。

例えば「今週は小売業界で規模はこれくらいの企業」というセグメントを切って、トークスクリプト、質問へのカウンタートークを用意してアプローチしています。リード全件に対してやみくもにコールしていた頃と比べると、生産性が大きく高まりました。インサイドセールスはひとつの商材で小さくスタートしましたが、その効果が認められて既に複数の商材に対応しています。これまでは「もっと幅広く営業したい」と思ってもなかなか対応しきれなかったのですが、データの活用とインサイドセールスの存在によって効率的に営業範囲を広げることができています。

今後のチャレンジについて教えてください。

堀野様: 裾野を広げるだけではなく、狙った数十社のターゲット企業にアプローチする活動も立ち上げる予定です。スピーダを活用することで、リード単位ではなく、企業理解に基づいた戦略的・組織的なアプローチを目指しています。既にアカウントセールスチームがあるのですが、彼らと連携して、定期的にメールとコールでフォローしていく活動をイメージしています。そこでもスピーダのデータを活用していきたいと思っています。

2019年7月インタビュー
本文中に記載の企業名・役職・数値情報、製品の仕様等はインタビュー当時のものです。

株式会社マクニカ

www.macnica.co.jp/
  • 業種

    システム開発・SIer・ソフトウェア開発

  • 部署・職種

    営業・インサイドセールス

  • 企業規模

    1000〜4999人

  • 主な利用シーン

    営業・マーケティング戦略策定

  • 株式会社マクニカ

    コーポレートマーケティング室長

    堀野様