スピーダ ユーザーグループを通じて新しいビジネスの種を見出す

クローズドな業界においても新たな出会いを生み出すスピーダ ユーザーグループの価値

三井化学株式会社

User's Voice

三井化学の共創推進室にて、「新しいビジネスの種を見つけ、作ること」に挑戦している加納様。
スピーダを「経済情報プラットフォーム」としてご活用されるだけでなく、スピーダユーザーが参加するオフラインイベントにも積極的にご参加いただいております。
なぜ頻繁にご参加いただけているのか、普段の活動やミッションを紐解きながら、「スピーダ ユーザーグループ」が主催するイベントの価値についてお伺いしてきました。

サマリー

  • 共創空間の運営においてスピーダを用いた効率的な情報収集が役立っている
  • ユーザーイベントへの参加を通じて強く感じるオフラインコミュニケーションの価値
  • イベントでの出会いを新たなビジネスのきっかけにつなげていく

ミッションは「新しいビジネスの種を見つけ、作ること」

三井化学における「共創推進室」の主なミッションについて教えてください。

加納氏:
共創推進室自体は、まだできて一年も経たない比較的新しい部署です。
ミッションとしては、端的に言えば「新しいビジネスの種を見つけ、作ること」です。お客様に三井化学がどのような会社なのかを理解していただくことと、社員同士の横のつながりを強化していくことに注力しています。

三井化学はさまざまな場所に多くのアセットや製品を持っているため、それらを網羅的にアプローチすることは社員でさえ難しい状況です。そうなると、お客様にとってはなおさら困難です。
そのため、これらをよりわかりやすく伝えることで、先ほど申し上げたビジネスの種を見つけ、作っていきたいと考えています。その手段の一つとして事業の共創を推進しています。

加納様の主な役割についてお聞かせいただけますか。

加納氏:
共創推進室の中で、「コミュニケーションナビゲーターチームリーダー」という役割を務めています。共創推進室はまだ小規模な組織で5人しかおりませんが、その中でお客様への案内を専門とするアテンダーが2名おり、お客様とのコミュニケーションを一緒に創り上げています。
お客様への三井化学のアセットの見せ方や、共創に関する企画・ディスカッションの進め方などについて、より効果的な方法を考え、運営の計画を立てる役割を担っています。
また、実務的な面では、お客様への接遇や共創施設の維持管理なども含めた業務全般を担当しています。

さらに、お客様とのコミュニケーションを通じて何かを見出すための企画立案と実行も我々のミッションです。そのため、コミュニケーションナビゲーターという名前がついており、生まれるコミュニケーションの水先案内人となることが我々のチーム、そして私のミッションとなっています。

お客様と会話する際に最も気をつけているポイントや、工夫されているポイントについてお聞かせください。

加納氏:
特に対面での会話において、押し付けがましくならないように心がけています。お客様のことを事前によく調べますが、それが的を射ているかどうかは実際に会話してみないとわかりません。コミュニケーションは生きものですので、その場の流れを大切にしています。

また、お客様と会う前にコミュニケーションプランの設計を行っているのですが、設計においては企業分析に力を入れています。
財務分析や人事的な面、組織的な面など、さまざまな角度から分析することができますが、経験則も含めて最も重視しているのは、その会社が発信した情報、特にニュースリリースです。
中期経営計画やアニュアルレポートももちろん重要ですが、以前事業報告書の作成に携わった経験から、公式な報告書にはかなりのバイアスがかかることを知っています。会社が伝えたいことを強調せざるを得ない面があり、結果として毎年似たような内容になりがちです。
一方で、会社は生きものですから、日々さまざまな活動を行っています。良いことも悪いことも含めて、株主への説明責任として正直に開示しなければなりません。そこにニュースリリースの価値があります。これらの情報を適切にフィルタリングし、カテゴライズすることで、その会社の現状や注力している分野、将来の方向性が見えてくると考えています。

スピーダを用いた効率的な企業分析

普段、お客様とのコミュニケーション設計や企業分析を行う中で、スピーダをどのように活用されているのでしょうか。

加納氏:
私が主に活用しているのは、「スピーダ 経済情報リサーチ(以下、スピーダで統一)」です。このプロダクトの優れている点は、必要な情報を簡単に入手できることです。例えば、特定の企業に関する情報をまとめたパワーポイントを自動作成できる機能は非常に有用です。
私自身はある程度の知識があるため、企業ページの内容を見れば概要は理解できますが、チームメンバーに説明する際には資料にまとめる必要があります。それがワンストップでできることは非常に助かります。

また、企業を調べた際に、その企業が属している業界や関連業界の情報も表示される機能も非常に役立っています。お客様を理解するためには、単に企業単体を見るだけでは不十分で、そのお客様の製品やサプライチェーンにおける位置づけを理解することが重要です。例えば「電子部品」といったキーワードをクリックすることで、その業界の情報にすぐにアクセスできる点が非常に便利です。

異業種交流を促進する「スピーダ ユーザーグループ」

「スピーダ ユーザーグループ」のイベントに初めて参加されたきっかけについてお聞かせください。

加納氏:
スピーダはコンサルティング会社に所属していた時代から活用していましたが、リアルイベントへの参加は現在の会社に入ってからが最初だったと思います。きっかけは、CVCに所属していた時期に、投資先の発掘を目的にピッチイベントを探していた時に、スピーダからピッチ&交流会の案内が届き、手軽に参加できそうと感じ申し込みさせていただきました。
その体験を通じて魅力を感じ、他にもスピーダ主催のさまざまなユーザーイベントがあることを知り、meetupなども含めて参加させていただきました。

仕事の内容によってイベントに参加する目的は少しずつ変化していましたが、特にコロナ禍以降、直接的なコミュニケーションの重要性を強く感じており、バーチャルでの連絡手段が一般化した現在でも、リアルな繋がりの価値は変わらないと考えています。
クローズドな情報は対面での会話でしか得られないケースも多く、そういった機会を得るためにも積極的に参加するようにしています。特にCVC時代はそういった直接的なコミュニケーションが非常に重要でした。また、現在の共創推進室の活動においても、こうしたリアルなコミュニケーションから得られる情報は非常に価値があります。
共創空間は単なる物理的な場所としてではなく、異なる背景や専門性を持つ人々が出会い、新たな価値を生み出すための触媒として機能することが期待されており、ユーザーイベントを通じて出会った方とお話しした内容が、空間デザインや運営方針の改善に活かされています。

異業種交流の意義についてどのようにお考えですか?

加納氏:
素材メーカーである我々は、どうしても同業種内での付き合いが中心になりがちですが、新しいソリューション型ビジネスを作るためには、これまでとは異なる業種の方々との出会いが必要だと感じています。
これは三井化学だけではない素材産業特有の課題として、サプライチェーンの硬直化やコミュニケーションの固定化が起こっていると思っています。同業他社やサプライチェーン内での関係が中心となり、異業種との交流機会が限られる傾向となっています。

新しいソリューションビジネスの創出には、従来の関係性を超えた新たなつながりが必要であり、そのための場としてもコミュニティの価値を認識しています。
例えば、デベロッパーとの出会いは非常に有意義でした。街づくりという観点で見ると、我々の製品や技術が活かせる可能性が多くあることがわかりました。
また、エンターテインメント系企業との出会いもありました。一見すると接点がないように思えますが、実際に対話してみると意外な連携の可能性が見えてきます。このような予期せぬ出会いと対話が、新しいビジネスの種を見出すきっかけになると考えています。

これまでの「スピーダ ユーザーグループ」のイベントで印象に残っているのは、某大手食品メーカーと宅食サービスを提供するスタートアップとの連携事例を取り上げた回です。実際の事例に基づいてスタートアップとの協業におけるポイントが語られていたので参考になりました。

※2024年11月19日に開催された「アライアンスピッチ」の交流会

「スピーダ ユーザーグループ」への今後の期待

「スピーダ ユーザーグループ」に対して、改善の要望や期待することはありますか。

加納氏:
特定の業種にフォーカスしたユーザーイベントの開催も面白いのではないかと考えています。より深いディスカッションや具体的な協業に繋がるのではと思っています。
また、既存のイベントに加え、若手社員向けの場が広がるとさらに良いと感じています。若いうちに見聞を広げることは非常に重要で、地理的な制約などで機会のない人たちにとって、貴重な機会になるのではないでしょうか。
実際に、私自身の経験からも、地方勤務時代には異業種との交流機会が限られていました。例えば広島や千葉での勤務時代は、同業他社との横のつながりは持てても、異業種との接点を持つ機会がほとんどありませんでした。そういった状況を考えると、若手社員がさまざまな業界の人々と交流できる場を提供することは非常に意義があると考えています。

最後に、加納様の今後の目標や夢についてお聞かせください。

加納氏:
まずは事業の柱を自分の手で、あるいは自分の力が入った形で作りたいと考えています。生活時間の大半を費やす仕事において、「これは自分でやった仕事だ」と言えるものを目に見える形で作りたいと思っています。
それにより、自分自身の満足感や達成感が得られるだけでなく、そのビジネスを通じて助けられる人たちが出てくることを期待しています。ビジネスをサポートすることで給与を得る人たち、あるいはそのビジネスによって生み出されるサービスやプロダクトを利用する人たち、さまざまな形で価値を生み出していければと考えています。

三井化学株式会社

jp.mitsuichemicals.com/jp/index.htm
  • 特色

    石油化学と基礎化学を中心とする総合化学メーカー。メガネレンズ材料、自動車向けポリプロピレン素材、フォトマスク防塵カバーなど世界シェア上位の製品多数。

  • 業種

    素材・化学

  • 部署・職種

    経営企画・事業戦略、新規事業開発

  • 企業規模

    5000人以上

  • 主な利用シーン

    事業開発/新規事業開発

  • 三井化学株式会社

    経営企画部
    共創推進室
    コミュニケーションナビゲーターチームリーダー

    加納弘基様