SPEEDA Teams 導入により、民需DX推進における営業チームの“提案力向上”を実現する
大手通信会社の営業・営業企画部門における活用
東日本電信電話株式会社
東日本地域における電話、通信の提供をおこなう情報通信サービスを主軸に各種サービスを展開する東日本電信電話株式会社。
情報通信を取り巻く環境変化において、既存の通信基盤や顧客接点を活用した新しいサービス・商品を提供し、社会のデジタルトランスフォーメーションの進展に寄与していく経営方針を掲げています。
法人営業をベースとしたキャリアを歩み、第二バリュークリエイト部にて注力領域である民需開拓強化・DX提案強化をリードする植木様と岸様にSPEEDAとSPEEDA Teamsの活用方法を伺いました。
サマリー
- ・第二バリュークリエイト部は、民需開拓の強化・DX提案に注力
- ・多様な競合プレイヤーも存在する環境下で営業チームのDX提案スキルの標準化に課題
- ・SPEEDA Teamsで業界ニュースや専門家の知見を効率的にインプット
- ・顧客に質の高い提案・視座を提供するチームづくりを実行中
公共ビジネスを柱に、民需開拓強化・DX提案に注力
おふたりのご経歴を簡単に教えてください。
植木様:法人営業をベースとして、SE(システムエンジニア)、サービス開発、人事で育成の仕事にたずさわり、現在の部署にきて1年半ほどです。
岸様:最初に配属された支店で、5年間営業をしておりました。その後、現在の部署に異動して、営業支援をおこなっています。異動のタイミングでSPEEDA Teamsが導入されたので、わたしとしてもSPEEDA Teamsの部門内での活用推進が最初のプロジェクトのような建て付けになっています。
第二バリュークリエイト部の役割についても教えてください。
植木様:大きく分けて2つの役割があります。大手企業を中心とした営業活動と全国の民需開拓の支援です。わたしのチームは、一部上場企業のお客様を中心に担当して営業をおこなっています。
岸様:わたしのチームは、NTT東日本全体における民需ユーザーの案件支援をおこなっています。DXをはじめ「もっとこのような提案ができるのではないか」と提案を膨らませお客様と営業担当をサポートしていくことが大きな役割です。
植木様:元々のNTT東日本は、公共のお客様とのお取引の割合が高かったのですが、民需のお客様との関係も強化していくべきだということで、DX支援をおこなう子会社の設立等含めて、民需開拓やDX提案の強化への取り組みを続けてきています。わたしの所属する第二バリュークリエイト部でも数年前から更に力を入れ始めています。
お客様とお話ししていると、システム部門だけではなく、いかに事業部門向けの提案に染み出していくかという話があります。御社にも同じような動きがありますか?
植木様:もちろんあります。うちは電話屋からはじまっているので、もともとの付き合いが一番濃いお客様は企業の総務部門でした。
そこからインターネットの波がきて、企業の情報システム部門との付き合いがはじまり、近年では企画部門や製造部門、販売部門とのパイプも重要になっています。より幅広くお客様のお役に立てる組織を目指していきたいです。
競合がいる中で、顧客提案の質をいかに向上させるか
民需開拓における課題はありますか?
植木様:2つの課題を感じています。
1つ目の課題は、そもそも民需ユーザーへのDX提案は各社が力を入れており、競合が非常に多い環境であること。我々はこれまで公共重視のビジネスを展開してきたこともあり、わたしたちが今後担いたい立場ですでにビジネスをされてきた競合企業が多くいます。
2つ目の課題は、その中で顧客提案の質を向上させること。
インフラ設備側から電話やインターネットサービスを提供してきたわたしたちが、いきなりお客様に「DXをやりましょう」と言ってもなかなか伝わりづらい。顧客提案の場において、営業メンバーの一人ひとりが、具体的な事例や顧客の役職者層が関心のある環境の変化等の話をきちんとできる必要があります。一方でこれは組織内で新しいメンバーを含めて徹底していくことや、先行する競合企業よりも高い精度でおこなっていく、ということはなかなか難しい。その中で教育やツール活用含めて、いろいろな取り組みを始めているところです。
各社同様の課題感を伺います。難しいところですね。
植木様:難しいけどおもしろいとも感じています。
ありがたいことに、我々は電気通信事業が柱になっていて長く安定したお付き合いが根幹にあります。そのため、お客様に対しても「短期的にこの商品や・サービスが売れないと商売にならないので、お付き合いできません」といった思考にはあまりなりません。本来であれば「ここまでやると営業の稼働と収益が見合いにくいのではないか」という領域までふみ込んで、お客様と会話ができる。経営の中にも入っていくことができる。
各支店にいくと「NTTだから」ではなく「○○さんだから」ということで、お客様からいろいろと相談してもらえるような、地域密着型のサービスをやっている現場の営業メンバーがたくさんいます。
こういった収益基盤や地域で強力な信頼関係を築いている人材は我々の強みだと思っており、新しい取り組みにおいても、親和性が高く、強みを生かしていけると考えています。
SPEEDA導入の決め手は「プロダクトの価値 × 運用サポート」
SPEEDA Teams導入以前からSPEEDAをご利用いただいています。SPEEDAについては、どのようなご認識でしたか?
植木様:今の部署に異動してきたタイミングでは、正直SPEEDAのことを知りませんでした。最初の接点は、社内の人間から「おもしろいツールがあるから紹介したい」という話をもらい、勉強会に参加したことです。
当時、ユーザベースの飯田さんが「もっとNTT東日本の営業活動においてSPEEDAが役に立てるはずだ」ということで、我々向けに勉強会を複数回開催してくれていました。
飯田さんがもともとNTT東日本にいて、SPEEDAも使っていた体験からすごく具体的な相談や支援をしてくれて、そこからSPEEDAを使うようになり、ツール活用に限らず、アカウントプラン作成のワークショップなど、いろいろなご支援をいただきました。
その中で新しく「SPEEDA Teams」のご紹介もいただき、我々が感じていた課題感への親和性も感じ導入を決めました。
SPEEDAの説明をさせていただく中で、どのような点を「役に立ちそう」だと感じていただけましたか?
植木様:先ほどお話しした課題を解決するためには、やはり質の高い情報を獲得できる体制の構築と各営業担当の学びの設計が必要です。会社として調査ツールや有料レポートの購入もしているのですが、わたし個人としては「SPEEDAの活用をさらに進めたい」と思っています。
理由の1つは「プロダクトに惚れた」ということ。
もう1つは「運用部分をきちんとサポートしてくれる安心感」です。この2点にすごく価値を感じています。
プロダクトでは我々がお客様と会話したいDXテーマに関わるレポートが網羅的に格納されていたり、ニュースからお客様の競合企業や我々の競合企業の実証実験事例を日々モニタリングできる状態を簡単に作れたり、直観的な操作と獲得できる情報量に驚きました。
運用面については、先日ご招待いただいたSPEEDAのユーザー会でもお話ししましたが「アクセスできる情報がたくさんあれば大丈夫」というほど人間は優秀にできていないと思っていて「ツール導入後にどう使っていくか」という設計が非常に大事です。
担当の方にはSPEEDAに限らず、アカウントプランに関わる勉強会を開催していただいたり、ユースケース資料を作成いただいたり、各種支援により社内に少しずつ活用が浸透してきました。勉強会でいただいた資料をベースに、自ら社内勉強会をおこなうメンバーもいます。
チームの日々の業務で「SPEEDA」をご利用いただいていますか?
植木様:SPEEDAには本当にいろいろな機能・使い方があって、現状は担当の方から営業メンバーにメソッドを教えてもらっている状態です。たとえば、SPEEDAの企業ページにおいて、お客様と規模の近い競合企業、業界のトップの企業を同じ指標で横比較して見るという使い方はとても参考になりました。機能説明だけではなく、どんな情報を見るか、どう情報を見るかという支援もいただけるので、安心感があります。
他にも上記と同じ企業を対象に、具体的な取り組み事例をニュース等で取得し、我々がお客様に提案できそうなテーマを探索するといった、日々の提案の増加、提案の質の向上につながるヒントをいただきながら、活用に落とし込もうとしています。
最終的には各営業メンバーがSPEEDAで得た情報・メソッドを「自分の提案の型」に落とし込み、チーム内に共有できる状態をつくっていきたい。そうすることで、お客様との会話や商談の場において、営業メンバー全員の提案内容に広さと深さが生まれるといいなと思います。
岸様:わたしが支店で営業をしていたときは、顧客の関連情報を事前にGoogleで調べるくらいしか手段がありませんでした。
1社を調べる分には問題ないものの、1人でいろいろな業界を担当していたので「ここまでは調べきれない」と日々の稼働のなかで仕方なく諦めている部分もありました。
SPEEDAはとにかく情報検索が早いうえに、お客様や競合企業、関連する業界情報をまとめて見られる点に価値を感じています。立体的にお客様や周辺の事業環境を把握したうえで提案を考えることができるようになりました。
植木様:営業メンバーには、お客様の訪問前のインプット、とくに提案の種探しや提案するテーマの補足情報の取得の観点で日常的に使ってほしいなと思っています。
競合の企業がたくさんいる中で、「NTT東はどの視座で対応できるのか」ということが付加価値になると考えています。お客様よりもお客様の周辺環境や事例、今後予想される動向に詳しいという状況をつくり、これまで築いてきた信頼をもとにより多面的にお役に立てる営業をしていきたいと感じています。
SPEEDA Teamsで得られる「視座」が営業の付加価値になる
導入していただいた「SPEEDA Teams」の使い方を教えてください。
岸様:SPEEDA Teamsに関しては、チーム内でテーマを分けて自社や顧客、競合に関連するニュースを共有したり、我々が扱う領域の先進事例や今後の動向等の専門家コメントを共有したりできるので、まずはいくつかのテーマから設定をして使いはじめているところです。
たとえば、製造業の担当であれば製造に関わる話ができるのはどの会社も当たり前。そこから流通や小売などのサプライチェーン全体、さらには海外もふくめた観点で話ができるようになるべきだと思っています。
そうすれば、お客様自身がまだ見つけられていないニーズにもリーチしやすくなる。そのために、SPEEDA Teamsを活用していきたいと考えています。まずはメンバーが「事前のインプットが営業に活用できたな」「お客様とのコミュニケーションが変わってきたな」という小さな成功事例をつくっていければいいなと思います。
岸様はSPEEDA Teamsを社内に展開する基盤作りを担っていただいてると伺いました。何か工夫されている点はありますか?
岸様:まずはSPEEDAを普段から知ってもらえるように、部内の発表のタイミングで都度周知するようにしています。今後についてはもっと部内の皆さんの営業にとって重要なニュースが集まる工夫をしていきたいと考えていて、キーワードやテーマのフィードバック収集含めて、運用をより進めていきたいと思っています。
ニュースに限らずFLASH Opinionでは、エキスパートに質問をして回答を集めていただいています。こちらの体験はいかがでしたか?
岸様:持っている仮説に対して第三者的な視点から早く見解が得られるので、非常に参考になります。
質問の投稿自体は少しハードルを感じた部分もありましたが、担当の方にサポートをいただき、各テーマごとに複数の質問を投稿しました。回答内容でぜひ営業トークに使いたいようなものや、事前に想像していなかったものもあり、多面的な回答についても価値を感じています。
植木様:エキスパートの見解の良いところは「誰も知り得ていない情報や可能性を早く知ることができる」ということだと考えています。
もう1つは、自分たちの「業界に対する先入観」を壊してもらえるということ。
「製造業は人手不足に困っているはずだ」
「製造工程は仕入れから出荷までこうなっているはずだ」
といった理解が担当している期間が長くなったり、外部の一般的な情報を見ていたりすると無意識に固定化されてしまうことがあります。ただ業種・企業・製品ごとに状況がまったく違ってくる。多面的な視点をFLASH Opinionで得ることで、仮説を精緻にしたり、より具体的な提案や施策につなげたりできることが大きな価値だと思います。
組織としてSPEEDAとSPEEDA Teamsを使いこなす
今後の展望を教えてください。
植木様:まず目指したいのは、SPEEDAとSPEEDA Teamsの活用をうまく営業フローと接続し、組織として使いこなせている状態の構築です。
自分の中の棲み分けとして、営業企画に関わるメンバーはSPEEDAを活用し自分自身で調べるテーマや情報を探索しながら営業メンバーの提案が加速するような情報基盤を設計することにもこだわってほしいなと。業界やトレンドテーマに対しての提案仮説を持ち、FLASH Opinionの活用含めて検証をできるようにもしていきたいです。
営業メンバーはSPEEDA Teamsを活用してニュースや専門家の知見も見ながら提案を考える。そういった成功体験が部内で共有されていくことが当たり前になることを目指したいです。
最終的には、営業メンバーもSPEEDA Teamsで情報を閲覧するだけではなく、SPEEDAの幅広い機能にアクセスし自ら必要な情報の探索と活用をおこなっていくこと、いい意味で「SPEEDA Teamsだけでは物足りない」というメンバーが増えるところまで持っていければいいなと思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
東日本電信電話株式会社
www.ntt-east.co.jp/業種
情報通信・IT
部署・職種
営業・インサイドセールス
企業規模
1000〜4999人
主な利用シーン
営業フロント業務
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東日本電信電話株式会社
第二バリュークリエイト部
第二バリュークリエイト担当
担当部長植木伸通
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第二バリュークリエイト部
第一バリュークリエイト担当岸遥香