「他社情報や市場環境を逐一チェックできるようになり、株主の動向をウォッチするIR業務のためには欠かせません」

エンターテイメント企業のIR部門における活用

株式会社サンリオ

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2020年に創業60周年を迎えたサンリオは、国内外でキャラクタービジネス、ギフト商品・グッズの展開、自社店舗やテーマパーク事業などを展開しています。中でも2020年は同社はじめての社長交代という大きな変化を迎え、「Small Gift Big Smile(スモールギフト・ビッグスマイル)」という企業理念をさらにアップデートしているさなかです。業界内の変動も激しいいまの時代、IR業務や投資家の動向把握にSPEEDAをどのように活用したのか、木原様に伺いました。

サマリー

  • ESG投資や他社の株価推移などの情報を収集、IR説明会や役員へ説明する際の資料作成時間と手間を減らしたい
  • 競合他社の株式を大量保有しているアクティビストの動向をチェックしたい
  • アクティビストや競合企業の動向が自動でメール配信されるようになり、その動向がわかりやすくなった。検索性が高いため情報収集が簡便に

創業60年の節目にグローバル戦略へシフト

サンリオのミッションをお教えください。

木原様:「Small Gift Big Smile(スモールギフト・ビッグスマイル)」という企業理念を掲げ、より多くの人が心から話し合える人のいる幸せを感じられる世界をつくるべく、キャラクタービジネス、ソーシャル・コミュニケーション・ギフトなどの企画・販売、自社店舗の運営、テーマパーク事業などに取り組んでいます。 創業60周年を迎えた2020年、当社の歴史で初めて代表取締役が交代するという大きな節目を迎えました。現在は新社長のもと、キャラクターに留まらずグローバルなエンターテイメント企業にシフトしようとしています。 近年は当社のIPを企業とのコラボレーションに活用したり、アジアとのリレーションが深い企業と提携することによりグローバルライセンシング活動に力を入れたりすることも。2C向けのビジネスもさることながら、2B向けの取り組みが圧倒的に増えてきています。

その中で、IR部門はどのような役割を担っていますか。

木原様:個人投資家に対しては、IR活動を通じて長い時間をかけてファンづくりを行っています。一方機関投資家に対しては、当社の無形資産の価値をお伝えするなどし、バリュエーションの信頼性について理解を深めていただく機会を設けています。 大手機関投資家の動向把握も重要なミッションの一つです。当社の場合、オーナー企業ではあるものの、過半数の株式を保有しているのはオーナーではありません。常に大量保有のリスクを警戒しながら株価の推移を気にかけています。 エンターテイメント系の競合他社が、自社株式を大量保有するアクティビストにどのような対応をしているかについても常に危機感を持って注視しています。

サンリオはどのような株主構成となっていますか。

木原様:株式数としては機関投資家が約7割となっています。全体では金融機関が32%と最も多く、個人投資家は約25%です。株主数としては、個人の株主が約70,000人と約9割に及び、非常に多くの方々に支えられています。

自社の株価推移や投資家の動向チェックが飛躍的に向上

IR課の担当業務についてお教えください。

木原様:広報・IR室 IR課では、投資家向けにIR活動を行っていました。当時は決算発表後に国内外の機関投資家と面談し、個人投資家向けにIR説明会を行っていました。とくに個人投資家の数が多いため、機関投資家との面談が少ない時期を中心に、年間15~20回にわたりIR説明会を実施していました。 また、他社の有価証券を管理することも重要な業務の一つでした。一般的に、IR課が純投資を担当することは多くないと思いますが、当社では長年IR課が純投資を行ってきました。 四半期ごとに決算開示資料を作成したり、機関投資家との面談結果や大量保有の動きがあったとき随時役員に報告することも、重要な業務となっています。 私自身は2020年6月の社長交代とともに社長室へ異動し、現在は体制推進課に所属して社長の想いを発信したり、社内に新しい制度の導入を推進したりしています。

IR業務では、どのように情報収集を行っていましたか。

木原様:他社の開示事例やESG投資の動向、アクティビスト・競合他社の動向などを調査しています。また、自社の株価や、当社が保有している他社の株価、あるいは投資を検討している企業の株価、出来高などをデイリーでチェックしています。 とくに他社の開示事例やESG投資の動向については資料にまとめて役員に報告しなければならず、リサーチから情報の整理まで時間がかかっていました。

SPEEDAの導入前はどのような方法で情報収集していましたか。

木原様:株価情報をまとめたポータルサイトで推移をチェックしたり、該当する企業のコーポレートサイトを一つひとつ閲覧して他社の開示事例を調べていました。
当社は個人投資家が多いため、ポータルサイトなどで書き込みが増えると株価に影響することもあります。事実と異なる情報が流布した際は、プレスリリースを発表して否定したこともありました。そのためのチェックも欠かせませんでした。
株価情報をまとめた専門サイトも活用していましたが、必要な情報が整理されていないため、資料作成や情報収集に時間がかかりすぎていることがネックになっていました。

大量保有報告書や特定の機関投資家に関するニュースを自動配信

どのようなシーンでSPEEDAを活用していましたか。

木原様: 株価や開示資料などのチェック、大量保有報告書がリリースされた際にそのニュースがメール配信されるよう設定して活用していました。
具体的には、SPEEDAの「有報・適時開示検索」機能で、大量保有報告書の「発行者」と「提出者」にチェックを入れ、メール通知設定をしていました。また、アクティビストに株式を大量保有された競合企業の社名を検索し、株主構成や株価推移、財務状況、事業内容、開示資料などSPEEDAで一通りの情報を確認し、要因分析を行っていました。
SPEEDAのカスタマーサクセスのみなさんからアドバイスをいただき、競合企業の株式を大量保有している投資家の動向もチェックするようになりました。競合企業の「株主」欄から、アクティビストファンドの名前をチェックし、そのファンドが保有する上場企業の株式を確認するなどしています。
このようにアクティビストの動向をくまなくチェックする仕組みを整えたところ、競合企業の経営陣に対してアクティビストが株主提案を行うという大きなニュースが入ってきたことがありました。その際、SPEEDAでニュースをチェックしていたおかげでいち早く情報収集することができ、必要な情報を整理して常にキャッチアップしておくことの重要性を実感することができました。
それ以外でも、「ある項目でリリースを出した企業」「業績修正を出した企業」などを検索、一覧で見ることができるようになり、リサーチが楽になったと感じています。他にも、自社の社名でキーワード検索すると、当社と関わりのある会社に関する意外な情報をすぐに知ることができるのも助かっています。先日、当社の社名で検索したところ、以前ライセンス提携していた企業が、他社とコラボレーションして新しくグッズを販売するというニュースを知りました。取引先を含めたステークホルダーの動向をいち早く知ることができる点も、非常に大きなメリットだと感じています。

IRを担っていたお立場から、SPEEDAの魅力はどのような点だと感じていますか。

木原様:最も助かっているのは一覧性です。どうしても、Webの検索エンジンで株主名やIR情報で検索しても、業務に関連性の低い情報が混ざってしまいます。しかしSPEEDAの場合、筆頭株主やアクティビストに関するキーワードを登録しておくことで、関連ニュースが日付順に一覧で並んで自動的にメールで配信されるため、それをチェックするだけで業界の株式に関する動向を知ることができて非常に助かっています。
いまではSPEEDAのUIで株価や大量保有報告書を見ることが習慣化され、日々の業務の一つとして組み込まれるようになりました。

変化の激しい時代の株価市場も、すばやく情報収集し資料を整理

SPEEDAの導入成果はいかがでしたか?

木原様:これまで、気になる企業について一つひとつウェブサイトを閲覧し、株主情報を調べて大量保有株主を調べていて、非常に時間がかかっていました。SPEEDAの導入後は、企業名を検索するだけですぐチェックできるようになり、情報収集にかかる時間と手間を大幅に削減、他の業務に集中できるようになりました。
株主動向や自社に関連するニュースをチェックしたいとき、気軽にリサーチできることも大きな変化です。いまは調べたいことが出てきたら、苦労して検索エンジンで探し当てるのではなく、まずSPEEDAで検索するようになりました。
とくに助かったのは、2019年12月に発表された、東京証券取引所の市場区分の見直しです。これまで東京証券取引所は、第1部、第2部、JASDAQ、マザーズと4市場に分かれていましたが、今後プライム、スタンダード、グロースの3市場に再編されるという報道が流れました。基準が大幅に見直しされ、コーポレートガバナンス・コードも刷新されるという情報があり、どうすればいいのか戸惑いました。
その中で、時価総額の基準も変わるという話があったのです。不動産の価値を見込まず、投資家が実際に売買可能な市場に流通する流動資産のみで時価総額を測る「流通時価総額」で区分を判断すべきだという報道が流れ、動向を注視していました。このときサポートデスクに相談して、概算の各社流通時価総額データを作成していただきました。それによってクイックに基準変更による影響を把握し、簡単に資料を作成することができました。
変化の激しいこれからの時代、株式市場にどのような変化が訪れるのかわかりません。未知の情報を探し出し、整理・閲覧性の高い資料へとまとめる上で、SPEEDAはなくてはならないプロダクトです。

今後の展望は。

木原様:自社の持つ無形資産を大切にし、国内外でその価値を最大化する取り組みを行っていきたいですね。これから生まれる新しいIPをどのようにスケールさせていくかも重要な問題です。当社では最近、新しいキャラクターをリリースするとともにYouTubeでのライブ配信をスタートさせました。海外の会社に目を向けると、中国ではゲーム発信による新しいキャラクター、欧米ではショートアニメによる新IPのリリースが増えています。このようにマーケットごとにユーザー特性や最適なプラットフォームが異なるのです。
既存のIP・新しいIPの価値を最大化しながら、どのようにグローバルで発信していくかについてこれからより深く検討していかなければならないと考えています。そして、将来的にはグローバルのエンターテイメント企業として会社が成長することを願っています。

株式会社サンリオ

https://www.sanrio.co.jp/
  • 特色

    2020年に創業60周年を迎えたサンリオは、国内外でキャラクタービジネス、ギフト商品・グッズの企画・販売、ライセンス事業、自社店舗やテーマパーク事業などを展開しています。同社ではじめての社長交代という節目を迎え、「Small Gift Big Smile」という企業理念をさらにアップデートし、世界じゅうの人々に幸せを感じて欲しいと事業に取り組んでいます。

  • 業種

    エンターテイメント

  • 部署・職種

    IR・広報

  • 企業規模

    500~999人

  • 主な利用シーン

    IR情報の整理、投資家への情報提供他

  • 株式会社サンリオ

    社長室 体制推進課 (インタビュー時、広報・IR室 IR課)

    木原 健太郎 様

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