生成AI機能も活用し、インサイドセールスのコールやメールアプローチの成果を拡大

新規顧客開拓活動におけるスピーダ 営業リサーチの活用事例

都築電気株式会社

User's Voice

1932年に創業し、コミュニケーション領域を中心にさまざまなシステムインテグレーション/ネットワークインテグレーションサービスを提供する都築電気株式会社(以下、都築電気)。中期経営計画『Transformation 2026』のもと、成長領域へのリソースシフトを目指し、変革を進められています。
今回は、プロダクトを横断してマーケティング活動を展開するセールスプロモーション部のお二人に、インサイドセールス活動を含む新規顧客開拓の活動において、どのようにスピーダを利用いただいているのか、お話を伺いました。

サマリー

  • 重点プロダクトの拡販に向け、営業と連携しマーケティング活動を強化
  • インサイドセールスの架電準備にかかる時間を短縮し、属人的スキルに依存しない質の高い活動を展開
  • 生成AI機能を活用し、顧客ごとにパーソナライズしたメールアプローチで商談獲得数を向上

重点プロダクトの拡販に向け、営業と連携しマーケティング活動を強化

まずはお二人の担当業務領域について教えてください。

野木氏:セールスプロモーション部は、都築電気のプロダクトを横断的に扱うマーケティング部門です。「デマンドチーム」がマーケティングの企画や戦略策定、ターゲティングなどを担当し、もう一つの「プロモーションチーム」が戦略の実行部隊として、セミナーやイベントの企画運営を担当しています。私は副部長として、企画から実行運営、リード育成、送客まで統括して管理しています。

和田氏:私はデマンドチームのマネージャーをしています。マーケティング戦略企画を担当するほか、インサイドセールスのメンバーも私のチームの中にいる形です。

扱っているのはどのような製品ですか?

野木氏:中期経営計画「Transformation 2026」で掲げている「成長6領域」の中でも、主にクラウド型CTI(コンタクトセンターシステム)サービス「CT-e1/SaaS」や、クラウドコミュニケーションサービス「TCloud for Voice」などのコミュニケーション関連プロダクトや特定市場向けのDXサービスに焦点を当てています。この領域に特化した事業部門が設立され、これをきっかけに営業とマーケティングが緊密に連携した取り組みが進められています。

https://www.tsuzuki.co.jp/ir/policy/strategy.html

和田氏:都築電気はもともと営業が強い組織で、マーケティングは後発でした。ただ、事業上の期待が高い領域ですので、プロダクト・マーケティング・セールスが分断せず、連携する体制を模索中です。私たちマーケティングのメンバーも積極的に事業部門の会議に出席するなど、少しずつ取り組みを重ねています。

インサイドセールスの活動を標準化し、活動の質を高める

2021年に「スピーダ 顧客企業分析(旧称 FORCAS)」をご契約いただき、その後プランを拡張する形で、スピーダ 営業リサーチ(旧称 FORCAS Sales)の利用も進めていただいています。スピーダの導入経緯について教えてください。

野木氏:当時、既存顧客との取引が主となる事業構造から、いよいよ本格的に新規顧客獲得に舵をきっていかなければならない状況でした。そのためにマーケティングとして何が必要なのか考えたときに、やはり、ターゲット顧客を明確にして、そのターゲットに対してどのようなアプローチをしていくかを整理しなければならないという結論になりました。また同時に、CRMシステムのリプレイス予定があり、顧客データの精緻化と体制づくりも必要でした。そこで、他ベンダーが提供する企業データベース製品等とも比較の上、スピーダ 顧客企業分析の導入を決めました。

都築電気株式会社 ビジネスプロモーション統括部 セールスプロモーション部 副部長 野木 広美 様

まずはスピーダ 顧客企業分析で「どういった層にアプローチするか」を決め、一部外注しているインサイドセールスチームに提供する、アプローチ先企業のホワイトリストを抽出します。スピーダ 営業リサーチは、それぞれのターゲット企業がどのような課題を持っているかを知り、提案のための仮説を作るために利用しています。

和田氏:インサイドセールスは、架電する前に簡単にお客様の情報を調査するのですが、スピーダの導入前は、この「調査の質」と「行動量」のバランスにジレンマがありました。やはりWebを検索して、IR情報を読み込んで、業界のことまで調べて……となると時間がかかりますし、インターフェースがばらばらなので、出てくる情報もバラバラ。メンバー個々人の調査スキルによって、調査の質もコールの質も、かなりばらつきが出てしまっていました。

スピーダ 営業リサーチは、架電前の調査に必要な情報がひとつのインターフェースに統合されていて、誰が見ても同じ内容がきちんと書かれています。スピーダ 営業リサーチの使用を通じて、インサイドセールスメンバーのスキルアップにもつながり、使わない手はないなと思いました。

スピーダ 営業リサーチ 会社概要画面

生成AI機能でメールアプローチに “Why You, Why Now” の視点を導入

生成AIを組み込んだ新機能「AIセールストーク」は、どのようなシーンで活用されていますか?

和田氏:最も効果を感じているのはメールアプローチの際ですね。これまでインサイドセールス一人ひとりが一所懸命文章を考えてメールを作っていたわけですが、なかなか響かない。生成AIが出してくるテキストがあると、シンプルに時間効率の面で圧倒的にメール作成が早くなります。それに加え、メール文の構成や文面の作成は、個々人のスキルの差が出やすい工程になりますが、AIセールストークの情報をベースに少し手直しして使う形であれば、誰でも、ある程度の品質でメールアプローチを実施できます。これが大きなメリットだと感じています。

AIセールストーク自動生成機能

野木氏:コールしても電話にはなかなか出てもらえませんが、かといって全体配信のメールマガジンの文面では、どうしても単なる製品のご案内メールに終始してしまい、顧客に響かない。

スピーダ事業のインサイドセールスメンバーの取り組みを実際に見ることができる「コール見学会」にも参加しました。この研修会では、実際にインサイドセールスの方が「スピーダ 営業リサーチのここと、ここと、ここを重点的に見て、そこから仮説を作る」というフレームワークを目の当たりにしたのですが、この時に実践されていた「Why You, Why Now」(なぜ今・なぜあなたに連絡しているのか?)という視点は、非常に参考になりました。個々の企業課題に合わせたピンポイントなメッセージを作って、はじめて成果に繋がるということを実感しています。

和田氏:もともと「Why You, Why Now」の視点は我々の中で根付いていなかったのですが、「AIセールストーク」を使うことで、インサイドセールスが自然と意識できるようになりました。これまで「メルマガを送って、一定反応があったところにISがコールする」取り組みは、本当に成果が出にくかったのですが、スピーダを使ってメールアプローチを強化したことで、短期でアポイントの獲得にもつながり、一定期間のアポ獲得数で言えば1.5〜2倍の成果を得られた部分もあります。

都築電気株式会社 ビジネスプロモーション統括部 セールスプロモーション部 デマンドチーム チームマネージャー 和田 洋明 様

野木氏:スピーダ営業リサーチのインターフェースは、売上いくら・従業員数どれくらいといった点の情報だけにとどまらず、「お客様の課題」に自然と目線を持っていけるのがメリットだと思います。私たちはIT事業なので、お客様の課題解決の提案をしていかなければならないのですが、日々のマーケティングの実務の中ではつい、表面的な情報に左右されて顧客視点を忘れがちです。スピーダ 営業リサーチの画面の中では、生成AIが「この企業はこういう課題を持っているから、こういう提案がよい」と常に明確にしてくれる。これは私たちにとっては大きな気づきでした。

生成AI活用自体は、もともと社内でも進んでおられたのですか?

野木氏:はい。2023年6月から、当社専用のChatGPT活用環境「TAI-CHAT(タイチャット:Tsuzuki AI powered by ChatGPT API/GPT-4)」が整備され、資料作成や提案の壁打ちなどで利用が進んでいます。そういった活用基盤が一定あった中で、スピーダ 営業リサーチに生成AI機能(AI企業課題サジェスト、AIセールストーク)が搭載されたわけですが、スピーダを日々利用している中で「この企業はこういう課題があり、その課題に対してピンポイントでこういう提案が効く」という内容が出てくるのは、大きなメリットだなと感じました。

和田氏:インサイドセールスの活動においては、先ほどの「インターフェース」という話にもつながってきます。たとえばChatGPT単体で同じようなことをしようとしても、個々人のプロンプト作成能力や結果の読み解き能力に依存してしまう部分がありますし、何より出力された情報を他のメンバーに共有しづらいですよね。業務アプリケーションであるスピーダに生成AIが組み込まれていることで、プロンプトに依存せずに誰が見ても同じ出力結果が得られ、また「転記して共有する」といった外側のしくみも不要になります。スピーダの中で誰もが同じ出力結果を見ることができ、プロセスが標準化できています。

少ない人的リソースの中で、さらなるAI活用の発展に期待

今後のスピーダへの期待や、貴チームの展望について、最後に教えてください。

野木氏:スピーダ 営業リサーチへの期待としては、AIセールストークが複数商材に対応することや、開示情報の少ない非上場企業でもAIからのサジェスト・セールストークが出るようになること、さらにスピーダ 顧客企業分析で定義したTier(ターゲット企業群)との情報の紐付けなどに期待しています。

(※スピーダ注:こうした機能追加については順次開発を進めています。)

今は営業戦略をつくる際、マーケティング部門が中心にスピーダを使っていますが、最終的には現場の営業メンバーも一緒にスピーダを見ながら営業戦略を作っていけるといいのかなと思っています。

和田氏:私たちは限られた人的リソースで日々活動していますが、世の中の傾向を見ても、今後どんどん人が増えていくことは考えにくい状況です。その中ではやはりAIの力を活用しないといけないなと思いますし、情報の集約とセールスイネーブルメントが重要になります。この点、スピーダはどんどん進化しているので、引き続きアップデートしていただきたいなと考えています。

※2024年11月取材。本文中に記載の企業名・役職・数値情報、スピーダの仕様等はインタビュー当時のものです。

都築電気株式会社

www.tsuzuki.co.jp/
  • 業種

    システム開発・SIer・ソフトウェア開発

  • 部署・職種

    マーケティング

  • 企業規模

    1000〜4999人

  • 主な利用シーン

    営業・マーケティング戦略策定

  • 都築電気株式会社

    ビジネスプロモーション統括部 セールスプロモーション部 副部長

    野木 広美 様

  • 都築電気株式会社

    ビジネスプロモーション統括部 セールスプロモーション部 デマンドチーム チームマネージャー

    和田 洋明 様