コーポレートベンチャーキャピタルにおける活用

未知の業界に挑戦するときの安心感が違います。SPEEDAは投資判断時に欠かせない存在です。

JR東日本スタートアップ株式会社

(左から阿久津様、柴田様)

JR東日本スタートアップ株式会社は、JR東日本グループの経営資源とスタートアップ企業のアイディアや先端技術を結びつけることで新たな価値を創造するために設立されたCVCです。金銭的なリターンを追求するのではなく、世の中に新たな価値を創出する姿勢を大切にしている企業です。

今回は、会社設立直後にSPEEDAの導入を決断した代表取締役社長柴田様とマネージャーの阿久津様に、導入経緯と活用事例についてお話をお聞きしました。  


【サマリー】

・SPEEDAの活用により、企業との面会時の下調べや投資判断のための調査の工数が大幅に削減

・ニュース通知機能の活用により、「新聞」のように毎日見るメディアとしても利用

・新しい価値を世の中に生み出すために、SPEEDAは欠かせない存在となっている


 

私たちの存在は出島のようなもの

どうしてJR東日本がCVCを立ち上げたのか。その背景を教えてください

柴田様:新しい価値を世に生み出すにあたり、早くかつダイナミックに変革を起こすためには、JR東日本単体ではなくベンチャーと組む必要があると考え、CVCを立ち上げました。「JRがこんな事をやるの?」という、驚きというか、お客様がワクワクするようなことをやりたい想いもありました。

弊社のミッションは、JR東日本のお客様が「これがあったらいいな」と思えるようなサービスを実現することです。世のベンチャー企業が持つアイデアとJRのもつインフラを融合させ、ワクワクする新しいものを世に生み出します。

JR東日本の本体からCVCを切り離した意図は何でしょうか

柴田様:私たちは、弊社のことを「JR東日本の出島だ!」と言っています。JR東日本が動けないことでも私たちがフレキシブルに動き回り、  JR東日本とスタートアップ企業を結びつけるような場所。出島であれば、組織の判断スピードが上がります。新しいことに挑戦するには、ある程度のスピード感を持って取り組む必要があるのです。

他のCVCとの違いはありますか

阿久津様:CVCとしての大きな特徴は、利益を追求するのはなく、しっかり実証検証を実施してベンチャー企業と一緒に新しいサービスを生み出す姿勢。一言でいえば、「実際にやる」ということですね。

経営資金を必要としているベンチャー企業にお金と人的リソースをしっかり投入することで事業を加速してもらいたいと考えています。

柴田様:JR東日本の鉄道インフラを利用できることも強みです。1つの駅で実証実験をするにしても、JR東日本のユーザーは一日1700万人という規模ですから、ベンチャー企業にとってはやりがいがあるでしょう。

これまでの具体的な活動を教えてください

柴田様:2017年から「JR東日本スタートアッププログラム」を定期的に開催し、魅力的なベンチャー企業の発掘に取り組んでいます。2017年度は19件、2018年度は23件を採択し、事業の共創に取り組んでいます。

また、出資も6件を数えました。駐車場のシェアリングサービス「akippa」を展開するakippa株式会社と、肩こり・腰痛対策アプリ「ポケットセラピスト」を運営する株式会社バックテックは、弊社が2018年2月に出資を決めた最初のベンチャー企業です。

先日は、サインポスト株式会社が開発したAI無人決済システム「スーパーワンダーレジ」の実証検証を赤羽駅で行い、無事に終えました。実サービスに向けて更なる検証を行う予定です。

 

SPEEDA導入以前の課題

御社がスタートすると同時にSPEEDA導入を検討いただきました。その背景を教えてください

柴田様:以前からベンチャー系の企業情報を効率的に取得し、また新規事業を作っていく際にデータを活用したい、という思いがありました。特に、私たちにとっては、まったく未知の業界で事業を展開するベンチャー経営者と面会することがありますが、その面会へ挑むにあたりベンチャー企業のことを調べたり、新規事業を生み出していく業界に関する情報を集めたりしなければなりません。その「情報収集」に課題を感じていました。

例えば、面会で経営者は、「オンリーワンの技術です」と説明していたのに、後になって違うことが分かったこともあります。

阿久津様:つまり、みんな「うちが最初です」「うちがオリジナルです」「独自の技術です」って言うんですよ。こうなると、自分たちが情報武装しなければ、誤った投資判断をくだしてしまうかもしれません。

以前は、相手から聞いた情報を鵜呑みにするしかなかったということですか

柴田様:そうならないよう、事前にネットで情報収集するなど、工夫はしていました。それが十分ではなかったという認識です。

阿久津様:ネットで情報を集めたり、エクセルでリストを作ったりするだけではありません。業界のことについて知りたければ、その業界に精通している人をネットで見つけ出しコンタクトをとって話を聞きにいくこともありました。そういう工夫はしていましたが、情報収集のスピードや精度に限界を感じていたという事です。その時にSPEEDAを知り、すぐに導入を検討しました。

導入の決め手は何でしたか

柴田様:トライアルで使わせていただき、面会の時にとても役立つことが分かりました。私たちが必要としているツールだということを確信できたことが導入の決め手になりました。

 

3つのSPEEDA活用シーン

トライアルで「SPEEDAは面会に役立つ」と判断いただきました。その後、SPEEDAを導入してみてどのような効果を実感されていますか

柴田様:以前に比べて「安心感」がぜんぜん違います。以前の面会では、相手の言うことをとりあえず信じるしかありませんでした。しかし今は、SPEEDAとentrepedia(※1)を活用することにより、面会の最中に相手の言ったことを調べることができます。

(※1:ユーザベースグループの株式会社ジャパンベンチャーリサーチが提供するスタートアップ情報サービス)

阿久津様:面会の前にSPEEDAで業界や類似企業などの情報をしっかりと調べることができるので、面会の質が上がったと思います。

面会の最中はどのくらいの頻度でSPEEDAやentrepediaを使いますか

柴田様:先ほど約1時間の面会をしてきました。その間、5分ほどはSPEEDAやentrepediaを使っていたのではないでしょうか。話をしながら、出てきた会社名を調べたり、関連するニュースを読んだりするんです。事業提携している企業があればその会社も調べます。

阿久津様:類似企業、最新ニュース、直近のファイナンス、株主構成など、多くのことを教えてくれるSPEEDAは、弊社にとってデータバンクのような存在ですね。

他にもSPEEDAが役立つ場面はありますか

柴田様:SPEEDAの重要性が増しているのは、投資委員会で投資判断をくだす時です。各マネージャーが委員に配布する基礎資料をSPEEDAの情報も用いて作ります。その資料を基に、「このマーケット本当にとれるの?」「こんなマーケットあるの?」「競合を見ると、この業界はあまり期待できないよね」といった議論を重ね、投資枠50億の使い道が決まっていくわけです。

SPEEDAの業界レポート画面(図は駐車場業界のもの)。その業界の市場環境や競争環境、主要プレイヤーなどの情報がまとまっており、スピーディに業界について理解することが可能。

本社を説得する時にもSPEEDAは役立ちますか

柴田様:実は、投資判断は私たちに任されているんです。1度だけ本社に投資の事前説明をしたことがあります。その報告を聞き終えた社長からは、「報告は今回だけでいいからな。後はどんどん進めろ」と言われました。正直、驚きました。

日常の業務でもSPEEDAを活用されますか

阿久津様:もちろんです。私は、関心のあるキーワードで情報が受け取れるようにSPEEDAの『ニュース通知機能』を活用しています。今だと「無人店舗」や「AI」「決済」「自動運転」などのキーワードに関連するニュースを毎日読んでいます。

柴田様:自分たちが「攻めたい」と思う業界を決め、そこに関連するキーワードでざっくり情報を拾い、気になることを深掘りするような使い方です。一言でいうと「新聞」のような使い方ですね。他のメンバーも同じような使い方をしています。

SPEEDAのニュース検索画面。130媒体以上のニュースを検索・閲覧可能で、特定の条件に合致するニュースをメール通知で確認することもできる。

 

阿久津様:それから、私はNewspicks(※2)のコメントをとても重宝しています。私どもの記事が掲載されたとき、その記事のコメントを読むことで、新たな気づきを与えてもらえます。有識者の評価を知ることもできます。

(※2: ユーザベースグループの株式会社Newspicksが提供する、ビジネスパーソンのためのソーシャル経済メディア。ニュースに対する専門家のコメントや世論をチェックできることが特長。)

柴田様:たしかに、ユーザーの声に真意が隠れていたりするものです。ネットはユーザーとの距離が近いですから、Newspicksのコメントは有益な情報源です。

 

今後のSPEEDAへの期待

今後の御社の活動にSPEEDAはどのように貢献できそうですか

柴田様:今はすべての業種のベンチャー企業に門出を開いていますが、将来は業種を絞る可能性も出てきます。その時は、「どんな業種に絞るべきなのか」といった戦略立案にもSPEEDAが役立つだろうと考えています。

阿久津様:2019年は、実証実験を終えて実ビジネス化のフェーズに入る案件が出てきます。その時には、いよいよ競合と戦う場面になりますので、「どれくらいマーケットでシェアをとれそうか」など、今まで以上に深掘りして情報を集めなければなりません。SPEEDAはますます重要になってきます。

柴田様:最近は、新聞や紙媒体からの情報では補えないことが増えてきたと思います。情報の変化は速く、その量は膨大です。だからこそ、ビジネス情報のプラットフォームとして進化し続けるSPEEDAは、弊社にとってますます欠かせない存在になるでしょう。とても期待しています。

 

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2018.12 インタビュー

jrestartup.co.jp

特色

JR東日本グループの経営資源とスタートアップ企業のアイディアや先端技術を結びつけることで新たな価値を創造するために設立されたCVC。

業種

コーポレートベンチャーキャピタル