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#新規事業開発 2023/8/1更新

事業づくりの「見えない壁」を突破する Part1 事業づくりを前に進める!6つの「わからない」を解剖する

Part1 事業づくりを前に進める!6つの「わからない」を解剖する Part1 事業づくりを前に進める!6つの「わからない」を解剖する

事業づくりでは、誰もが「欲しい情報が見つからない」「何から始めればいいのかわからない」「必要なプロセスがわからない」といったさまざまな壁に直面します。

全く情報がない中で、想像だけで事業開発を進めたり、意思決定を行うのは大変危険なため、どの壁においても、必ず「調べる」という作業が必要になります。

そこで、この記事ではさまざまな「わからない」を突破するために、「わからないの種類」と、その「調べ方」を説明していきます。

Part1:事業づくりを前に進める!6つの「わからない」を解剖する ← 本編はここ
Part2:事業機会が「どこにあるかわからない」を突破する 
Part3:専門家の知見を用いた新規事業の機会探索 
Part4 :  専門家の声を意思決定に活かす方法
Part5 :  計画策定のためのターゲット市場の市場規模推計

事業づくりの6つの「わからない」を解剖する

事業開発や計画策定は、新しい価値を作り出す行為です。少なからず自分たちにとって未知の領域を開拓していく必要があるため、事業づくりは必然的に「わからない」の連続になります。

実際に、私たちのお客様や事業づくりのエキスパートの方々の声を集めると、多くの方が、次の6つの「わからない」に直面していることがわかりました。

  1. 機会探索:自分たちにとっての機会がどこにあるかわからない
  2. 市場調査:土地勘のない市場の構造やトレンド・喫緊の課題がわからない
  3. 市場調査:ターゲット市場の市場規模推定のやり方がわからない
  4. 仮説立案:顧客が真に何を求めているのか(真のペイン)がわからない
  5. 仮説検討:新興市場・新技術における市場構造や参入障壁がわからない
  6. 事業評価:スモールスタートで参入したあと、うまくいかない理由がわからない

2種類の見えない壁

こうした課題を、どのように解決していけば良いでしょうか。

まず、「わからない」状態の原因は、大きく2種類の「見えない壁」に分けることができます。

A)情報が玉石混交に存在し、「どこに焦点を当てて調べるべきかわからない」
① 機会探索:自分たちにとっての機会がどこにあるかわからない
② 市場調査:土地勘のない市場の構造やトレンド・喫緊の課題がわからない
⑤ 仮説検討:新興市場・新技術における市場構造や参入障壁がわからない

B)調べても調べても「どこにも情報がない」
③ 市場調査:ターゲット市場の市場規模推定のやり方がわからない
④ 仮説立案:顧客が真に何を求めているのか(真のペイン)がわからない
⑥ 事業評価:スモールスタートで参入したあと、うまくいかない理由がわからない。

それぞれの「見えない壁」に関して、実際に以下のような声をよく聞きます。

A)情報が玉石混交に存在し、「どこに焦点を当てて調べるべきかわからない」

  • 事業機会がどこにあるかわからない:
    • 自社にとっての新たな事業機会を探索し発見したいが、ビジネスのメガトレンドは情報が玉石混交で、自社にとって真に注目すべき、取り組むべき要点の把握が難しい
    • ビジネスチャンスをなるべく広範に複数の視点から検討する必要があるが、焦点を当てるべきポイントがそもそもわからない。
  • ターゲット市場の構造 / トレンド / 課題:
    • 特にニッチな市場や土地勘のない市場に関しては、市場内部の構造や現在のトレンド、真に抱えている課題などを外側から把握することが難しい。
    • 自社のアセットや強みを鑑みて、事業機会を発見するためのポイントは該当市場での実務経験者しか知り得ないことも多い。
  • 新興市場 / 新技術における参入障壁:
    • 市場や技術が話題になっているケースも多いが、実際に事業開発上で必要な知見を持っている専門的な人材が少ない
    • 市場 / 技術の見通しや、自社の強みとどのように結びつくのか確らしさを得ることが困難。

起こり得るリスクや参入障壁を詳しく把握することも、オープンな情報では限界がある。

B)調べても調べても「どこにも情報がない」

  • ターゲット市場の市場規模推定:
    • インターネットなどオープン情報では、市場規模の数字が溢れている、しかし、本当に欲しい対象の市場規模はなかなか見当たらない
    • 仮に見つけたとしても調査年が古かったり、試算の対象に含まれているものが曖昧であったりする。
    • 自分で試算しようにもイメージが湧かず、計算結果があっているのか自信が持てない
  • 顧客が真に何を求めているのか:
    • 想定した顧客がどのような課題を持っているかを知るには、オープン情報で見つかる一般的な課題だけではなく、ステークホルダー毎の真の課題・ペインと、その背景を業界の深い経験を踏まえて、なるべく多角的に収集する必要がある。しかし、こうした情報はオープンでは見つからない。
  • 立ち上げ / 参入後うまくいかない理由:
    • スモールスタートで新規参入したが、うまく事業が走り出せない。原因と解決策を探したいが、その都度状況が異なるため、実践的な知見はなかなかオープン情報では見つからない。

では、この2つの「見えない壁」をどのように突破すれば良いのでしょうか。

パート2では、以下のような想定シーンをご用意し、実際におこなったリサーチ方法を実践解説していきます。

【置かれている状況】

今年4月から中計のコアである新規事業創出を任された若手の中川。

長年、リサイクルにおける流通の効率化に従事してきたが、外部環境変化のなかで事業成長を図るには、非連続な成長を生み出すことは必至。

役員からは、「昨今注目されているケミカルリサイクル、素材のサーキュラーエコノミーのバリューチェーン全体から新たな事業を考えよ」と言われたものの・・・

どこに事業機会があり、その中でもどこにインパクトがあるかまったくわからない状況。

果たして、中川は会社の命運を握る新規事業を生み出すことはできるのか。

Part2 事業機会が「どこにあるかわからない」を突破する