スピーダ、日本の経営企画部の実態やAI活用に関する調査レポートを公開
2024.07.08
経営のスピードを上げる情報プラットフォーム「スピーダ」は、国内上場企業の経営企画部に務める346名(役職者に限る)を対象とした大規模な定量調査を実施し、調査レポート『経営企画部の理想と現実 2024 ー経営企画の実態と生成AIの活用動向を読み解くー』を無料公開しました。調査の結果、企業価値向上の実現に寄与している経営企画部の特徴や、企業の生成AI活用における経営企画部の役割が明らかになりました。
全ての調査結果をまとめたデータは、下記URLよりダウンロードいただけます。
https://jp.ub-speeda.com/document/240708wp/
調査結果サマリー
1. 経営企画の業務は多岐に渡り、リソース不足やスキル不足という課題を抱え続けている。
2. 3割以上の経営企画が「企業価値向上」を最大成果指標として掲げており、新規事業/M&Aといった事業の未来を創造する業務へのリソース配分を増やしたいのが本音。
3. 実際に企業価値向上を実現している経営企画では、新規事業/M&Aといった中長期アジェンダへの関与度が高く、資本市場との対話業務に割いているリソースが多いのも特徴。
4. 生成AIを積極活用している企業では、自社製品への生成AIの組み込みが進んでいたり、経営企画が推進している会社が多い。そして、このような変化への適応が早い企業は、増収増益傾向にある。
5. 企業活動における生成AI活用の普及には、セキュリティや情報ソースの信頼性が課題になる。特に、生成AIによる回答の正否を判断するため信頼できる専門家やデータベースとセットで利用していくことが鍵。
調査の背景
日本企業に特有の組織である「経営企画部」。
スピーダでは、長らく経営企画パーソンの意思決定を支えてきましたが、その中で見えてきたのは経営企画部には確立されたプラクティスがなく、各社が暗中模索のなか試行錯誤を繰り返しているという事実です。
機密性の高い業務も多いため公の場で業務内容が発信されることはあまりなく、また事業部との異動も多いことからなかなか組織に知見が蓄積しにくい構造にある。それ故、現場の経営企画部では正解やベストプラクティスがない中で、常に難易度の高い業務に取り組んでいます。
そこで、スピーダでは世の中にあまり開示されない経営企画部の実態を可能な範囲で詳らかにし、1社でも多くの経営企画部の皆さまの参考になるような情報を提供するべく、日本の経営企画部への実態調査を実施しています。
今年度は、昨今のテクノロジーの変化の速さを象徴する存在である生成AIの活用実態についても、その活用実態や、社内での活用推進における経営企画部の役割を調査しました。
調査結果ハイライト
経営企画の業務は多岐に渡り、企業経営の中枢を支えている
経営企画の業務は多岐に渡り、「中期経営計画の策定」や「単年度予算策定・進捗管理」「経営へのレポーティング」といった経営の中枢業務を担っていることが分かります。他方で、新規事業やスタートアップ投資といった事業の未来を創造する業務に対しては多くの時間を使えておらず、理想とのギャップが垣間見られました
(「経営企画の理想」については調査レポートをご覧ください)。
3割以上の経営企画が「企業価値向上」を最大成果指標として掲げている
経営企画が最重要視している成果指標は「企業価値の向上」となり、3割超となりました。
それ以外にも、「収益力の向上」「売上の拡大」など、定量的な成果指標を掲げている回答者が多く、業務が多岐に渡り、定性的なプロジェクトも多い印象の経営企画も、定量的なアウトカムで成果を測っているケースが多いようです。
企業価値向上を実現している経営企画では、新規事業/M&Aといった中長期アジェンダへの関与度が高く、資本市場との対話業務に割いているリソースが多いのが特徴
「企業価値の向上」という目標に対して一定の成果実感を感じている経営企画は、全体の平均と比べて「新規事業の立ち上げ」といった未来の事業を創造するような業務に多くの時間を割き、実際に一定の成果に繋げていることも分かりました。
加えて、「資本政策・配当政策の策定・推進」や「コーポレートガバナンスコード対応」など、資本市場との対話にも積極的に関与し、企業価値の向上に繋げていることも分かりました。
企業における生成AI活用の普及には、セキュリティや情報ソースの信頼性が課題になる。特に、生成AIによる回答の正否を判断するため信頼できる専門家やデータベースとセットで利用していくことが鍵。
既に様々なビジネスシーンに入り込んでいる生成AIですが、普及に向けた課題もあります。
回答者の多くがセキュリティ上の課題感やAIによる回答の正否判断についての課題感を挙げており、普及が進んでいくためには、「AIの回答の正否を判断できる社内外の専門家(第三者)の意見や信頼できるデータベースとセットで活用する」ことが必要と感じているようです。
詳細データについて
今回の定量調査では、本記事に取り上げた項目以外にも、多くの設問に対する回答を得ています。より詳しい集計データについては、調査レポート『経営企画部の理想と現実 2024 ー経営企画の実態と生成AIの活用動向を読み解くー』をご覧ください。
調査レポートに含まれるその他の調査項目:
・回答者属性(性別、年代、役職、業種等の詳細)
・経営企画の実態(担当業務の現状/理想や課題)
・経営企画の通知表(各業務別および部門としての自己採点データを集計)
・経営企画の成果指標(重視する成果指標とその達成度合い)
・企業価値向上を重視する経営企画の特徴(各項目のクロス分析)
・生成AIの活用実態(企業全体および経営企画としての生成AI活用方針・実態・課題等)
調査概要
調査方法:インターネット調査
調査対象:以下の3つの条件をすべて満たす回答者
①上場企業の経営企画部門に所属している方
②「部長」「課長」といった役職者に該当する方
調査期間:2024/4/26 - 5/1
調査企画:株式会社ユーザベース スピーダ事業
調査委託先:株式会社クロス・マーケティング
本調査の総回答者数(サンプル数):346
スピーダについて
世界中の経済情報にワンストップでアクセスできる情報プラットフォームです。独自の経済情報基盤とAIを掛け合わせ、経営企画・事業開発・研究開発・法人営業・マーケティング領域で、調査・分析、ターゲティングなどの業務を飛躍的に効率化します。
URL:https://jp.ub-speeda.com/
会社概要
社名:株式会社ユーザベース / Uzabase,Inc.
設⽴:2008年4⽉1⽇
代表者: 稲垣裕介 / 佐久間衡
所在地:〒100-0005 東京都 千代田区 丸の内2-5-2 三菱ビル
お問い合わせ先
株式会社ユーザベース(スピーダ担当)
https://jp.ub-speeda.com/contact/inquiry/