大手総合電機メーカーのビジネスデザイン部門での活用

SPEEDAを活用することで、相手の状況を知った上で業務をスタートさせることができ、信頼関係の構築に役立つのではないでしょうか。

三菱電機株式会社

 

デザイナー集団がSPEEDAを武器に活躍

三菱電機のR&D部門において「デザインを通して、人と技術・社会・環境との調和をはかり、新しい事業や製品を生み出す」をミッションに掲げるデザイン研究所。社内でも先進的な取り組みをしているデザイナー集団にSPEEDAを導入いただきました。今回は、デザイン研究所ソリューションデザイン部ビジネスデザイングループ斉川氏に、SPEEDA導入から成果を出すまでのお話をじっくりお伺いしました。

 

デザイン研究所の先進的な取り組み

デザイン研究所の役割についてお聞かせください。

デザイン研究所は、弊社が国内外に持つ研究開発組織のひとつです。「三菱電機」の全ての製品・サービスを対象に研究開発を行っています。

デザイン研究所には、一般消費者のみならず、工場の生産現場や機器の据付作業を行う方など様々なお客様を対象として、価値のある製品やサービスの提供を目指し、ハードやソフトの外観や使い勝手の向上を研究している部門があるほかに、デザイン思考など多様な手法を取り入れながら、新たなサービスや事業の提案を支援する部門があります。私は後者の部門に所属しております。

いずれの部門においても、デザイン業務の基本的なスキームは、社内のビジネスユニットからの「委託研究」と、部門が自分たちで考え、将来に投資する「自主研究」に二分されます。

委託研究と自主研究の業務内容を具体的に教えてください。

私の所属する部門での委託研究では、事業部門に対するコンサルティングの様な役割を担っています。「弊社のA事業の事業環境は20年後、30年後どうなっているだろうか」という長期的視点でのリサーチや、現在のユーザーの潜在ニーズの調査など短期的視点なリサーチのお手伝いをする事もあります。加えて、これらのリサーチを元に新事業や製品・サービスの事業コンセプトの立案まで手がけます。これらの業務は、開発における、上流の業務に分類できます。

一方、お客様に弊社の製品・サービスを伝え、届ける部分である、下流の業務も行っています。たとえば、お客様向けの商談でのプレゼンテーション、デモのデザインをしたり、一般向けの展示室やトレードショーのコンセプトを立案したりしています。

自主研究の活動では、特徴的な活動にDesignXという名のスキームがあります。既存の事業の関わりが無い分野にも果敢に挑戦します。このプロジェクトは、採択されれば提案までの研究に対して会社のフォローが無く、上司もいません。その代わり、プロジェクトを立ち上げた者には、チームのメンバーを自由に選ぶ権利と研究を実行するための予算が与えられます。期限は約1年間。私も、『新興国向けのバイク用冷蔵庫』のプロジェクトなどに参加しました。

そのニュースを拝見しました。インドネシアで冷蔵庫開発をされているそうですね。きっかけは何ですか。

もともとは、ある社員が「発展途上国で三菱電機がどんな貢献をできるのか」と興味を持ちプロジェクトを立ち上げました。その中でインドネシアへ調査に行った際、バイクで魚を配達する人たちを見ました。時間が経つと魚の鮮度が落ちてしまい、価格を下げて販売したり、食品ロスを生んだりするなどの課題がありました。そこで、バイクに積める冷蔵庫に目をつけました。

デザイン研究所にはどの様な人材が集まっていますか。

100名以上のメンバーがおり、デザイン系の学校で学んだデザイナーが多く所属しています。それだけでなく、一級建築士、エンジニア、感性工学や人間工学、情報工学博士など、多彩な人材も集まっています。

斎川様の経歴をお聞かせください。

大学でプロダクトデザインを学び、デザイナーとして、デザイン研究所に配属されました。その後、ビジネスを理解するためビジネススクールでMBAを取得し、2014年から今のビジネスデザイングループに所属しています。

 

SPEEDAが新しい武器

SPEEDAを導入する前、どのような課題を認識していましたか。

もともと、「デザイン」という言葉には、色・形のデザインの意味に加え、課題解決という意味が含まれています。つまり、エンドユーザーやクライアントの課題解決を実現することもデザイナーの役割なのです。このような、本来の「デザイン」の解釈が、徐々に世の中に定着すると同時に、社内でも、「デザイン研究所にお願いすれば、何か一緒に考えてくれる」という認識が広まり、2014年に「ソリューション」デザインを実行する部門ができました。

その結果、デザイナーには、事業部と一緒になってビジネス全体をデザインする社内コンサルティングの役割が求められるようになりました。その役割の中では、事業部の人たちと同じ目線で会話できなければなりませんので、デザイナーもビジネスを理解する必要性が強まってきたと感じています。

また、『新興国向けのバイク用冷蔵庫』のプロジェクトのきっかけになった「DesignX」だけでなく、本流の研究開発でも、新規事業創出を目指し、新しいビジネスをデザインするケースも出てきました。新規事業を検討する際は、プロジェクトの進行に合わせスピード感をもって、既存事業ではない業界の構造や競合を理解することがとても重要になります。

このようなデザイン研究所を取り巻く環境の変化がSPEEDAの必要性を生み出したと思います。

SPEEDA導入以前は、どのようにして必要な情報を収集するなど、ビジネスの理解を深めていましたか。

それまでは、事業部の人たちに直接ヒアリングして業界や競合の情報を集めていました。事業部にいる詳しい人に集まっていただき、こちらが作成したヒアリング項目に沿って根掘り葉掘り質問する。そうしてビジネスを理解するように努めていました。

 

勝ち取ったのは信頼

現在はどのようにSPEEDAを活用しているのか、具体的な事例を教えていただけますか。

  • 相手との目線を合わせる

事業部の人たちにヒアリングする時、事前にSPEEDAで業界や競合、お客様の情報を調べ、ある程度の知識を持った状態でヒアリングに挑むようにしています。そうすると、ヒアリングの質が格段と高まります。例えば、事業部から「我々の事業の未来を考えてほしい」と相談された時には、SPEEDAの『業界レポート』に目を通し、それからヒアリングに挑みます。SPEEDAを使う目的は、その情報を事業部の人たちに渡すためではなく、あくまでも事業部の人たちと同じ目線で会話するためです。

SPEEDAの業界レポートの一部。業界概要・市場環境・競争環境などの情報が素早く把握できる。

 

  • 新規事業立案での事業環境調査

新規事業立案の際も役立っています。例えば、新しいプロジェクトを立ち上げる時には、SPEEDAでベンチマークとなる企業を調べたり、そもそもビジネスが成功するかどうかの確度を調べたりします。先ほどお話した『新興国向けのバイク用冷蔵庫』の時は、東南アジア諸国の冷蔵庫シェアを調べたり、GDPの伸びを見比べたりと、新しいビジネスに取り組むための仮説検証にSPEEDAが役立ちました。

  • 商談での提案書の品質向上

提案先の顧客に合った提案コンセプトや内容に調整する時にもSPEEDAを活用しています。提案先企業を深く理解し、課題解決になるような提案にすれば、商談のクオリティーが高まりますから。

サポートデスクは利用されていますか。

四季報やニュースリリースなどの公開情報の中から特定のキーワードを含んだ情報をピックアップしたいと考えた時、そうすればいいのかをサポートデスクに問合せし、支援していただきました。

SPEEDAを導入し、どのような成果を実感じていますか

SPEEDAで最低限の知識を得ていますから、事業部の人たちとの会話がスムーズになったと思います。他社さんでも、横断型の組織に属している方であれば、社内の他部署の人たちと業務をする都度、SPEEDAを活用することで、相手の状況を知った上で業務をスタートさせることができ、信頼関係の構築に役立つのではないでしょうか。

私は、会議の時にノートパソコンを持ち込み、その場でSPEEDAを使うようにしています。自分の知らない業界の話が出てきたらSPEEDAでパッと調べ「こういうことですよね」と会話に参加します。そうすると、打ち合わせの質が一気に高まり、スタートダッシュに成功したような気分になります。

 

SPEEDAの更新を決定

SPEEDAを知ったきっかけは何ですか。

ビジネススクールでSPEEDAの名前を聞いたことがありました。ある時、web広告を拝見しトライアルを申し込むことにしました。

SPEEDA導入の決め手は何でしたか。

トライアルでSPEEDAを使ってみた結果、グラフィカルに情報の表現がされていて、理解しやすい印象でした。そして、「これからのデザイナーはビジネスも理解しておかなければならない。SPEEDAはきっとデザイン研究所の武器になる」と思いました。

導入前に不安はありませんでしたか。

正直、どういう使い方をするのか不明確な部分もあり、「本当に使いこなせるかな?」という不安はありました。導入する時、伊藤さん(UZABASE営業担当)には「とりあえず1年だけ使ってみます」と言ったことを覚えています。

導入してから1年が経過しました。SPEEDAをどのように評価されてますか。

今年は更に利用者を集い、私が想定する使用方法を模索してもらおうと、先日更新を行いました。

まだまだ課題もあります。SPEEDAを使いこなせている人とそうでない人がおり、まだ使いこなせていない人をフォローしなければなりません。研修をしたり活用事例を共有したりすることを考えております。

いずれにしましても、デザイン研究所がSPEEDAのような分析ツールを活用していること自体が、更なる、社内外の信頼の獲得につながればよいと思っています。

今後のSPEEDA へ期待することは何ですか。

SPEEDAのユーザーインターフェースは、とても優れていると思います。だからこそ、その強みをますます追求していただくことで、SPEEDAの魅力にますます磨きをかけていただきたいと期待しています。

 

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2018.5 インタビュー

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特色

総合電機大手。重電、空調システム、FAシステム、自動車機器などが主力。家庭用電機機器は空調、調理家電など。

業種

総合電機